どうも!!ブログ管理人のfujiです。
予備自衛官に任官すると1年間で5日間の訓練出頭が義務付けられます
この訓練を俗に5日間招集訓練と呼びます。
しかし、予備自衛官にはこの5日間招集訓練以外に、4つの特別な訓練への参加が可能です。
どの訓練も5日間訓練と比較したらかなりレベルの高い内容の訓練になります。
そこで今回は現役予備自衛官の私が、予備自衛官の特別訓練について解説します。
予備自衛官は4つの特別訓練に参加することができる
予備自衛官には、5日間招集訓練以外に4つの特別訓練へ参加することができます。
・方面総監訓練
・中央訓練
・日米共同方面隊指揮所訓練
・鎮西訓練
上記の4つが予備自衛官に用意された特別訓練になります。
まずはこれら4つの訓練内容について解説します。
また、5日間召集訓練について詳しく知らない人は、私が5日間訓練に出頭した時のレビュー記事があるので参照してみてください。
方面総監訓練
方面総監訓練とは、各方面総監が主幹となって行う訓練です。
鹿児島在住なら西部方面総監訓練に、大阪在住なら中部方面総監訓練に参加することができます。
訓練と言っても内容としては方面隊創隊周年記念行事の参加です。
記念行事での観閲行進に向けての練習がメインの訓練になります。
基本教練であったり、行進時の動作の確認とかですね。
記念行事では一般人の見学者が入るので、予備自衛官と言えども一般人からしたら自衛隊員です。
ひたすら基本教練でしごかれるのでしょう。
予備自衛官補のA課程の訓練が延々と続くイメージでしょうかね。
私も今年度方面総監訓練に参加する予定なので、訓練風景の詳細などを別記事で紹介できればいいなと思ってます。
方面隊の創隊記念式典は、各方面総監部が置かれてる駐屯地で取り行われます。
※フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』-方面隊より
・北部→札幌駐屯地
・東北→仙台駐屯地
・東部→朝霧駐屯地
・中部→伊丹駐屯地
・西部→健軍駐屯地
方面総監訓練では、OB予備自衛官以上に一般公募や技能公募予備自衛官が多数参加されてるようです。
歯に絹着せぬ言い回しをするならば、OB予備自衛官の熱量の少なさは半端ないです。
経験や知識では劣ってても、熱量では公募予備自衛官のほうが凄いですからね。
そのくらいの熱量ないと本業を捌きながら50日間の予備自衛官補訓練なんて修了できませんからね。
予備自衛官中央訓練
予備自衛官中央訓練は各方面隊から選抜された優秀な予備自衛官にのみ参加が許される訓練です。
優秀な予備自衛官のための訓練なので、訓練内容も5日間訓練とは比べものにならないカリキュラムとなってます。
大まかな訓練の流れとしては
・訓練開始式
・富士総合火力演習研修
・戦闘訓練基本演練
・市街地戦闘総合訓練
・陸上幕僚長訓示、表彰等
などなどですね。
訓練の一環といえども富士総合火力演習に行けるのは羨ましすぎです。
普通に行こうとしたら、約30倍という倍率を潜り抜けて抽選を獲得しなければなりません。
まぁ中央訓練において訓練のメインは市街地戦闘総合訓練であり、総火演は束の間の息抜きみたいなものでしょうね。
市街地訓練場では建物への突撃や敵制圧、負傷者救護やCH-47というヘリコプターでの空中機動まであるようです。
予備自衛官補でやった匍匐前進による戦闘訓練とはレベルが違いすぎですね。
市街地という現代にマッチした実戦的な訓練内容ですからね。
予備自衛官が参加できる特別な訓練の中でも一番レベルの高い訓練と言っても過言じゃないでしょうか。
日米共同方面隊指揮所訓練(YS訓練)
予備自衛官でも日米合同の訓練にも参加することができます。
通称YS訓練と呼ばれる日米共同方面隊指揮所訓練では、陸上自衛隊と米陸上部隊がそれぞれの指揮系統に従って共同で作戦を遂行する能力を向上するための訓練を行なってます。
YSとはヤマ・サクラの略語です。
ヤマが在日米軍のシンボルの富士山であり、サクラが陸上自衛隊のシンボルの桜です。
山と桜のそれぞれの頭文字をとってYSと呼んでます。
YS訓練では陸上自衛隊だけでなく航空・海上自衛隊も参加しますし、近年では米国以外にもカナダ軍やオーストラリア軍も参加し総勢は5000名を優に超えます。
訓練内容の詳細は秘匿されてますが、日米での指揮所間の連絡体制や実働部隊との連携を確認する訓練内容のようです。
特殊な訓練内容なのでYS訓練に参加できるのは、語学や法務の技能予備自衛官やOB一般予備自衛官になります。
よって一般公募予備自衛官には参加の資格はありません。
外国語も喋れない、自衛隊での訓練経験がまともにない公募予備自衛官がYS訓練にいても邪魔ですもんね。
こればかりは仕方ありませんね。
訓練地は各方面隊で持ち回りで行うだけでなく、ハワイなどの米国領でも行うようです。
米国の駐屯地に入りたければ技能予備自衛官になるしかありませんね。
鎮西訓練
ミサイルぶっ放したり領海侵犯を挨拶か何かと勘違いしてる諸外国に隣接する九州という地域は、国防上の重要拠点です。
その重要拠点を管轄する西部方面隊独自の訓練が鎮西訓練なのです。
訓練内容は島嶼防衛訓練や沿岸監視訓練など九州という土地を考慮した多彩な訓練内容になっており、約1ヶ月という長期間行われる訓練です。
舞台は九州各地で行われますが、転地訓練も兼ねて第一空挺団も空挺降下訓練に参加したり、各方面隊の師団や旅団も鎮西訓練に参加するそうです。
このように基幹隊員でもそれなりの緊張感を持って実施する鎮西訓練ですが、予備自衛官も参加できるようです。
まだ予備自衛官が鎮西訓練に参加するのは試行段階であるため大々的にはなってませんが、鎮西FTX訓練に熊本地方協力本部所属の18名の予備自衛官が参加しました。
訓練の内容としては、熊本から那覇への転地訓練及び捕虜の取り扱いについてを学んだようです。
※自衛隊熊本地方協力本部 予備自衛官の声-予備自衛官部隊による実践
鎮西FTX訓練の詳細については下記のリンク先から確認してみてください。
※自衛隊熊本地方協力本部 予備自衛官の声より
公募予備自衛官が特別な訓練に参加する方法について
中央訓練や方面総監訓練など、5日間訓練とは比べものにならないほどレベルの高い訓練ばかりです。
選ばれし優秀な予備自衛官しか参加できないので、競争倍率はそれなりに高いです。
そんな倍率の高い特別な訓練に、一般公募予備自衛官が参加するためのコツについて解説します。
訓練出頭可否調査の書類を提出する
毎年年度始めくらいに訓練出頭可否のアンケートみたいな用紙が自宅に届きます。
内容としては
・即応予備自衛官になる意志があるかの確認
・中央訓練に参加する意志があるかの確認
・方面総監訓練に参加する意志があるかの確認
などの訓練参加に対しての意向確認のアンケートです。
このアンケートでは特別な訓練に参加したい意志表示を必ずしましょう。
仕事の都合等で参加できるかが不明でも、OKサインで提出ですよ!!!
都合が悪くなればドタキャンでOKですし、参加するとなった場合は改めて参加できるかどうかの確認の連絡が来ますからね。
ちなみに中央訓練は7〜9月の間、方面総監訓練は9月末〜10月頭の時期に毎年計画されてます。
毎年の予備自衛官5日間訓練を全力で頑張る
優秀な予備自衛官の判定方法としては、5日間訓練での成績を参考にします。
なので、5日間訓練には必ず出頭して優秀な成績を収める必要があります。
・出頭率
訓練の出頭率が悪い予備自衛官が、中央訓練や方面総監訓練などの特別訓練に参加できる可能性は極めて低いでしょう。
やはり出頭率が高い予備自衛官を担当官も選出したい気持ちがあるでしょう。
予備自衛官の5日間訓練は分割出頭が可能なので、仕事等との都合が合わない場合には積極的に分割出頭を活用しましょう。
1年間にたったの5日間の都合を合わせる程度の労力もできない人を、特別訓練に参加させるのはリスキーですからね。
せっかく特別訓練に選出しても、ドタキャンされてしまったら担当官の面目丸潰れですからね。
真面目に5日間出頭して、担当官からの信頼を勝ち取りましょう。
・訓練成績
予備自衛官5日間訓練では、体力検定と200m実弾射撃の成績が点数として出ます。
体力検定
体力検体の項目は
・握力
・1500m競歩
・ジグザグドリブル
・前屈
・垂直跳び
上記5つの項目の総合点数で体力検定の等級が決定されます。
どれか一つの項目の点数が高くても、低い点数のものがあれば等級が低くなります。
バランスよく全部を高得点狙うのがコツです。
日頃からランニングや筋トレ、ストレッチなどをコツコツ積み重ねるしかないですね。
OB自衛官と言えど自衛隊の訓練をバリバリこなしてきた人たちです。
しかも、ちょこちょこ大学生や20代前半の若い方も訓練に混じってます。
それなりの競合がいるので、日頃から運動をしてないのなら勝ち目はありませんよ!!
200m射撃検定
予備自衛官補I課程訓練の時にやった200m射撃と内容は全く同じです。
伏せ撃ち25点満点、膝撃ち25点満点の合計50点満点です。
駐屯地によっては89式小銃で行うので、予備自衛官補上がりは少し不利ですね。
しかし、64式よりも軽く取り回しが楽ですし、何より89式の方が当たります。
頬付けと見出しと呼吸をしっかり行えば的には当たるでしょう。
射撃でOB自衛官に勝てる確率は低いですが、丁寧に射撃しましょう。
予備自衛官担当官に熱意をぶつける
最後の悪あがきになりますが、特別訓練に参加したい熱意を担当官にぶつけましょう。
誇り高き自衛官の心得の中で「挑戦 挑め果敢に」という一文があるように、失敗しても熱意を持って挑戦する人間に対して自衛隊は寛容であると思います。
訓練成績や出頭率がほぼ互角の人間が2人いたとして、その2人に優劣をつけるならあとは精神論だけですからね。
・訓練中に熱意をぶつける
5日間訓練の合間で、予備自衛官担当官と会話をする機会が少しあります。
特に最終日の午後は離隊準備と訓練修了式だけなのでほとんどが手待ちです。
最終日の午後に担当官からいろんな情報を聞き出しつつ、特別訓練参加の意志表示をしておきましょう。
担当官も多くの予備自衛官の世話役に忙しいので、しつこいくらい熱意をアピールするのがコツですね。
私は熱意をアピールしすぎて「そんなに自衛隊好きなら本職になろうよ!!」と言われましたが、丁重にお断りしました。
予備自衛官補訓練の時もですが、勧誘ラッシュがすごいんですよね。
まぁ自衛隊は人が足りてないので、勧誘がしつこいのは仕方ないことでしょうね。
それでも私は起床ラッパで起こされるのは5日間が限界ですし、階級社会の自衛隊に30代で入隊は旨味少ないので却下ですね。
・メールで最後のダメ出し
訓練参加可否の調査アンケートで意志表示はしてると思いますが、最後のダメ出しでメールで連絡しましょう。
特別訓練に参加したいことと、参加確定の連絡がいつになるのかをメールで聞いておきましょう。
訓練参加可否の調査アンケートと訓練成績で参加者を決めるのですが、特別訓練内定者に対して個別で参加できるかの確認作業はそれなりの労力でしょう。
担当官の気持ちを汲んで先回りしてメールを送信しましょう!!
6月頭には中央訓練の内定者が決定する頃なので、5月の半ばくらいがタイミングとして丁度いいでしょう。
まとめ:予備自衛官特別訓練は参加する価値は大いにあります
特別訓練は優秀な予備自衛官しか参加することができません。
しかし、特別訓練に参加できるチャンスがあるならば絶対参加しておくべきでしょう。
特別訓練には優秀なOB自衛官や意識の高い公募予備自衛官も多数参加しています。
普段の5日間訓練とは一味違った緊張感の中訓練を受けることができます。
その経験は予備自衛官としてだけでなく、1人の人間として必ずプラスになるでしょう。
一度きりの人生です。「挑戦 挑め果敢に」
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