どうも!!ブログ管理人のfujiです。
予備自衛官に一般人が任官するには50日間の一般予備自衛官補訓練か、10日間の技能予備自衛官補訓練を修了する必要があります。
一般と技能のどちらの訓練も各方面隊に配置されている訓練駐屯地で訓練を実施するので、短期間といえど陸上自衛隊の現職さながらの環境下に身を置くことになります。
一般社会と隔絶された環境である陸上自衛隊の駐屯地なので、一般人には理解不能な謎ルールや理不尽な規則と上手に付き合和なければなりません。
最初はやる気に満ち溢れていた同期たちもこの陸上自衛隊の洗礼を受けることで、意志の弱い者や覚悟が足りなかった者たちが次の訓練には来ないという事態が発生します。
そこで今回は予備自衛官補訓練における謎ルールや理不尽規則について解説します。
この記事を読み込み予備知識を入れることで、これから予備自衛官補を目指そうとする人たちの力になれば幸いです。
予備自衛官補訓練で体験した謎ルールについて解説
まずは予備自衛官補訓練や駐屯地内での生活中に感じた謎ルールについて解説します。
陸上自衛隊では半長靴のつま先を手ピカピカに輝かせる
自衛隊において一番の謎ルールが半長靴のつま先をピカピカに光らせることですね。
1日戦闘訓練をしてしまえばすぐボロボロの状態になるのに、次の日の朝にはピカピカの状態にしておかなければなりません。
もちろん予備自衛官補も例外なくこの謎ルールに従うことになります。
一生懸命ワックスやクリームを使ってピカピカの状態にしておかないと、訓練開始前から班長からの厳しい指導が入ることになります。
駐屯地や訓練担当中隊によって指導の厳しさは変わってきますが、厳しいところでは抜き打ちで一人ひとり検査され、不合格であれば腕立て伏せや厳しい罵倒を浴びせられることもあります。
現役の自衛官であれば検査用にもう一足の半長靴を用意して、休日とかに時間をかけてピカピカにして検査に備えてるようですね。
果たしてつま先をピカピカにすることに意味があるのか疑問ですが、自衛隊においてはつま先の光具合がステータスになるので隊員も課業後に必死に靴磨いてますよ。
自衛隊は直角・直線・シワ無しが大好き
自衛隊では直角・直線・シワ無しを強く求められます。
具体的には居室のベットメイキングのシーツであったり、戦闘服のアイロンがけとかですね。
その他にも野外訓練の時の天幕という自衛隊式テントの設営時とかですね。
半長靴の検査と合わせて戦闘服の検査も同時に行われますが、アイロンで一つのシワもなく、線をピシッと入れてあることが求められます。
予備自衛官補訓練の課業後は、主にこの戦闘服やベットメイキングをすることで自由な時間の大半を奪われることになります。
ベットメイキングと言われてイメージが湧かないと思うので、YouTubeから動画を拝借してきました。
一見簡単そうにベットメイクしてますが毛布が分厚くて扱い辛いし、シーツをピンと張るのに相当苦労します。
一切のシワもなく45度も寸分の狂いなく作らなければなりません。
居室内は基本的に2段ベットになっているので、ベットの上の人は相当苦労します。
てゆうか効率を考えてベットバディーと一緒になって、2段ベットの上下を一緒に作るのが基本的なやり方になります。
どうせ寝るときにはぐちゃぐちゃになるのに、貴重な課業後の時間を使ってこの無駄な作業をこなさなければなりません。
もしサボってしまったら、日夕点呼中に当直陸曹の抜き打ち点検で地獄を見るでしょう。
装備についてる紐などの端末処理が大好き
予備自衛官補の訓練ではサスペンダーや鉄棒、小銃などの多くの装備を使います。
それらの装備は紐の長さを調整して使うことになりますが、自衛隊においては紐がプラプラの状態を良しとはしてません。
よって装備の紐の調整が終わったらビニールテープ等を使ってプラプラの状態にならないようにするか、見えないように隠す必要があります。
このような処置のことを端末処置と言います。
この端末処理が一番大変なのは背嚢という自衛隊式のリュックサックですね。
この背嚢には至る所に紐がぶら下がってますし、そこそこサイズが大きいので端末処理をするのが大変です。
背嚢を使う予備自衛官補訓練は、C課程の10キロ行進やG課程の25キロ行進です。
これらの訓練ではサスペンダーや小銃、鉄棒や防護マスクなどフル装備なので端末処置の量も必然的に多くなります。
班長の指導を食らわないように端末処理を完璧にできるようにしておきましょう。
隊舎の中央階段や中央玄関は使えない
自衛隊の駐屯地内にある隊舎は基本的な構造はどこの駐屯地でもほぼ同じで、長方形の形で左右の端と中央にそれぞれ階段があります。
予備自衛官補は基本的には中央階段を使うことは許されてません。
理由は不明です。
班長室が一階の中央階段付近にあったとしても、一度左右のどちらかの外階段を使って一階まで降りて左右のいずれかの入り口から入って班長室に向かわなければなりません。
居室が中央付近にある人にとっては少し班長室にいくのが手間になりますね。
掃除のために中央階段を清掃するときだけは中央階段へ入ることが許されます。
まじで意味不明のルールですよね。
隊舎外へは2人以上での行動
売店に行ったり浴場に行ったりするときは、一人で行動することは許されてません。
必ず2人一組以上での団体行動で、行進しながらになります。
売店に行きたい人が1人であっても、必ず誰か捕まえて2人以上にしなければならないのです。
一番面倒なのがタバコを吸う人たちですかね。
喫煙所が隊舎外に設置されているので、タバコ仲間を捕まえて喫煙所まで行くことになります。
同じ居室内にタバコ仲間がいれば楽勝でしょうが、いない場合は他の居室のタバコ仲間を探さなければなりません。
まぁ一番はタバコを吸わないことですが、コンビニや班長室が別隊舎にある場合は非常に面倒ですね。
ちなみに予備自衛官になったらこの団体行動の縛りはなくなるので、昼休みや課業後はひとりで自由に行動することができます。
ジャージに戦闘服が自衛隊の正装である
課業後は半長靴や戦闘服を着る必要はありません。
隊舎内であれば迷彩シャツとジャージでOKです。
しかし、隊舎の外に出るにはジャー戦という服装に着替えなければなりません。
戦闘服の上着に戦闘帽、下はジャージのことをジャー戦と言います。
ファションセンスゼロですね。ダサすぎです。
1日訓練で汚れた体を癒すために浴場に行くのにこのカッコなのですから、綺麗な戦闘服を一瞬ではありますが汚い体で着ることになります。
逆に戦闘服の整備が間に合わなかったら、綺麗な体で汚い戦闘服を着ることになります。
どちらにしても潔癖な人にとっては苦痛でしょうね。
予備自衛官補訓練で体験した理不尽規律について解説
次は予備自衛官補訓練で感じた理不尽な規律について解説します。
謎ルールについては慣れてしまえばそんなもんかと思えますが、理不尽な規律については自衛隊に染まらなければ慣れることはないでしょう。
昼休みという概念はない
一般の会社であれば休憩時間は勤務時間ではないので、休憩時間に仕事を進めることは労基法に抵触する恐れがあります。
勤務時間外に勤務をしていることなので、残業手当の支給が必然でしょう。
しかし、自衛隊においては昼休みという休憩時間の概念はありません。
休憩時間中に次の訓練の準備をしなければなりませんし、集合場所が隊舎から離れた演習場であれば休憩時間中に移動を開始しなければなりません。
13:00に小銃を持って隊舎前に集合と示されたならば、12:45くらいに武器庫前に集合して小銃を搬出し、ブラックテープで脱落防止処置を完了した状態で時間までに整列しておくことが求められます。
優しい駐屯地であれば上記のようなことはありませんが、私は運悪く1•2段階の訓練は中部方面隊のキツい駐屯地で育ってしまったのでこのような境遇を受けてきました。
世間一般の常識が通用しない理不尽なことが当たり前に駐屯地内では行われるのです。
予備自衛官補は食堂を時間通りに使えない
予備自衛官補は言うなれば階級なしの見習いという立場になります。
そのような立場なのか全てが後回しになります。
一番の例が食堂を時間通りに使えないことですね。
昼の食堂前は現職の自衛官や自衛官候補生などで長蛇の列ができます。
そんな中、階級も与えられていない最底辺の予備自衛官補が並ぶわけには行きません。
私が訓練を受けていた駐屯地では、昼休憩が始まってから15分後から食堂の利用開始OKというルールがありました。
ただでさえ昼休み中に次の準備をしなければならないので、ご飯を食べ終わってから時間のゆとりはほぼ皆無でしたね。
最初の15分の間にコンビニに行ったり、終わってない戦闘服の整備等で無駄な時間にならないように工夫して有意義な時間としましょう。
実費で装備を買う必要がある
戦闘服や半長靴など基本的な装備は支給されますが、細々とした装備は自分で買う必要があります。
・迷彩手袋
・銃剣止め
・射撃用耳栓
・銃剣バンド
・迷彩ドーラン
・脱落防止フック
装備で言えば上記のものが実費で買う必要のあるものになります。
駐屯地によっては貸し出ししてくれるところもありますが、大所帯の駐屯地では基本実費で購入になります。
また、黒テープやねじりこなどの消耗品も実費で購入しなければならないので想像以上に出費が嵩みます。
装備を揃えておけば訓練が楽になったり、借りる手間を削減できるのでどのみち購入しなければなりませんが、実費というのが癪に触りますよね。
出頭手当が支給されるので、その中から捻出して購入しておきましょう。しゃーなしで笑
予備自衛官補訓練で必要なアイテムについてまとめた記事がありますので、下記記事を参考に自衛隊グッツを揃えておきましょう。
夜間に居室の空調が勝手に停止する
居室には一応冷暖房設備が設置されてますが、立派なエアコンとかではなく壁の側面についてある四角い箱上の空調設備になります。
ちょうど腰の高さ程度なので腰掛けるにはちょうどいいですが、班長に見つかったら激怒されるので注意です。
その居室の空調設備ですが、消灯30分後くらいに勝手に停止します。
冬場であれば毛布に包まって暖かい服装をしていれば耐えれますが、問題なのは夏場です。
空調が切れる前に寝付けなければ、蒸し暑い中寝なければならないので地獄です。
居室は風通しが悪いので、窓を開けておいても風があまり入ってこないので寝付けないまま起床ラッパが鳴ってしまうこともあり得ます。
一番の対策は夏場に訓練に行かないことですが、なかなか訓練スケジュールを考えたら不可能な話なので、こればかりは慣れるしかありませんね。
2段階以降のキツい訓練になれば疲労で速攻寝れますが、体力的に余力のあるA・B課程では寝付くのに時間がかかるでしょう。
同じ駐屯地でも中隊によってルールが違う
予備自衛官補訓練の受持駐屯地は決まってますが、年によって駐屯地の中のどの中隊が受け持つかはその都度決まります。
そこで不都合が起こるのが中隊によってルールが変わってくることです。
自衛隊としての行進であったり基本動作については全国統一なものですが、特に物品の取扱に関しては中隊によってルールが違ってきます。
ベットメイキングの仕方であったり、貸与された装備の返納の仕方などが中隊によってまちまちですね。
雑嚢の肩紐の畳み方とか、サスペンダーの長さを一番短くしておくのかとか、小銃の脱落防止の要領についてとかが中隊単位で変わってきます。
中隊によってそれぞれの独自ルールを把握しておかないと、間違っているとみなされ班長たちから指導を受けることになります。
予備自衛官補の訓練スケジュールを見てもどこの中隊が担当するかは分からないようになってるので、運に任せるしかないですね。
消灯後はトイレ以外の行動は一切禁止
集団行動の宿命ですが消灯時間は一律で決まってるので、消灯後はトイレ以外の行動は禁止されてます。
要は夜中にスマホ触るなよ!!ってことです。
消灯後は班長や当直陸曹が見回りをしているので、もしスマホを触っていることが見つかったら連帯責任で居室の全員が廊下で説教タイムですね。
実際にB課程の時に隣の居室の班員がスマホを触っていたということで、1時間ほどありがたい説教を受けたようです。
消灯が22:00で寝るには早い駐屯地だったのでスマホを触りたい気持ちになるのは仕方ないですが、やるなら絶対にバレないようにしましょう。
スマホの光でバレるので毛布に包まって光が漏れないようにして、当直陸曹の目を欺きましょう。
まとめ:一般社会と比べても異質な謎ルールや理不尽が蔓延している
ブラック企業でもそうでないホワイト企業でも、多少の謎ルールや社会人特有の理不尽はどこでもあるでしょう。
自衛隊の中でも一般社会とは一味違った謎ルールや理不尽が蔓延してます。
予備自衛官補の大半が学生であることを考えたら、社会に出る前の理不尽耐性を身につける練習だと思えば楽しめるかもですね。
世の中は平等に扱われるような優しい世界ではないので、このような理不尽にも耐えれる能力が求められます。
本職の自衛官ではないので、たまの理不尽を軽く受け流すくらいの度胸を持って、予備自衛官補訓練を頑張っていきましょう。
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