はじめまして!!ブログ管理人のfujiです。
みなさんは予備自衛官という人たちをご存知ですか??
東日本大震災や熊本震災での彼らの活躍もあり、最近は少しづつ認知度も増えてきましたが、まだまだ知らない人が大半だと思います。
そこで今回は現役予備自衛官である私が、予備自衛官について徹底解説していきます。
予備自衛官等制度とは
予備自衛官とは、ざっくり説明すると
「普段は学生や主婦・社会人でありながら、ときどき自衛官として活躍する人たち」
のことです。
身分としては非常勤の防衛省職員(特別国家公務員)扱いとなります。
詳しく解説していきます。
予備自衛官はいざという時の防衛力
有事の際に活躍するのが陸・海・空陸上自衛隊です。
陸・海・空合計で約25万人の自衛官で、日本国土の防衛任務に従事しています。
しかし、実際に大規模災害や国家同士の武力衝突になった際に、25万人という人数では国防・国民の安全を守ることは難しいです。
だからと言って、平時に100万人規模の人数で防衛するのにも、コスト面だけでなく様々な問題もあり効率的ではありません。
そこで普段はそれぞれの仕事に従事しながら、災害や防衛に人手が必要になった時に、自衛官として活躍する人材を予備自衛官として保有してます。
他国では徴兵制度により予備の戦力を保持してますが、日本は志願制によるため、士気や意識が高いというふうに言われてます。
韓国やシンガポールは約2年間、北朝鮮は世界最長の10年間の兵役義務があります。
変わったところでは、タイではくじ引きで黒を引いたら兵役免除です。
赤を引いてしまったら陸・海・空のいずれかの軍隊に割り当てられます。
くじ引きで人生の大事な選択をするなんて異常ですね!!赤を引いてしまって失神する人もいるようです笑
予備自衛官の出動実績
1954年に陸上自衛隊・1970年に海上自衛隊・1986年に航空自衛隊の予備自衛官制度が発足しました。
そして2011年の東日本大震災で予備自衛官・即応予備自衛官の初招集がおこなわれました。
また2016年の熊本震災や2018年の北海道震災には即応予備自衛官の招集が行われました。
今後ますます増加する自然災害や南海トラフ地震が想定されるので、予備自衛官等制度による招集が実施されるでしょう。
予備自衛官の種類
予備自衛官等制度には
・予備自衛官
・即応予備自衛官
上記の3種類の予備自衛官が存在します。
これらの予備自衛官について詳しく解説します。
予備自衛官補
昔は自衛官経験者でなければ予備自衛官になることができませんでした。
しかし2002年に陸上自衛隊で自衛隊未経験者でも予備自衛官に任用できるように、予備自衛官補制度を発足しました。
海上自衛隊でも予備自衛官制度は発足されましたが、船舶免許を持つ国民の技能予備自衛官のみです。
予備自衛官補の所定日数の訓練課程を修了することで、予備自衛官に任用することができます。
予備自衛官補には出頭命令は招集教育訓練のみで災害・防衛出動の義務はありません。
予備自衛官補には一般と技能の2種類あります。
ちなみに私は、予備自衛官補一般の教育招集訓練課程を修了して予備自衛官になりました。
予備自衛官補を目指したい方には以下の記事をオススメします!!
①一般予備自衛官補
一般予備自衛官補とは、18歳〜34歳未満の国民を対象に3年間で50日の訓練を修了するコースです。
50日という短い訓練でありながら、訓練課程後半には戦闘訓練や200メートル実弾射撃など自衛隊らしい本格的な訓練があります。
また予備自衛官任用後の駐屯地等の後方勤務や、災害出動を想定したカリキュラムもあります。
自衛官候補生が入隊して最初の3ヶ月で行う前期教育を、一般予備自衛官補訓練で行うイメージです。
正規隊員が3ヶ月で行う訓練を、50日に濃縮しているのでかなり駆け足になります。
②技能予備自衛官補
技能予備自衛官補とは18歳〜53歳又は55歳未満の特定の資格を有した国民を対象に、2年間で10日の訓練を修了するコースです。
たった10日間で予備自衛官に任用するので、戦闘訓練などはありませんが射撃はあります。
素人が10日後には実弾を撃つことになりますので、一般予備自衛官補以上にカツカツなスケジュールだと思います。
しかし技能予備自衛官補に期待されていることは、医療や車両整備等の普段の仕事で使ってる専門技術を有した予備自衛官を育てることです。
一般予備自衛官とは求められる能力や目的が違うからこその10日間なのでしょう。
一緒に訓練をする機会はありませんが、居室が下の階でしたので技能の方々が課業後に戦闘服や半長靴の手入れをなれない手つきでやっているのがとても印象的でしたね。
10日じゃコツも何もつかめませんから仕方ありませんよね。
予備自衛官
予備自衛官とは、自衛隊経験年数が1年以上の者・予備自衛官補訓練課程修了者であればなることができます。
災害派遣・防衛出動・国民保護等派遣・訓練出頭の義務があります。
防衛出動の際は基幹隊員が前線に出動して、手薄になった駐屯地や後方勤務を予備自衛官が行うという想定されてます。
年間5日以上の招集訓練があり、制度的には20日まで訓練を受けることができますが、ほとんどの方は5日間です。
予備自衛官の中で選ばれた方のみ、中央予備自衛官招集訓練などの特別な訓練を受けることができるので、その場合は年間で5日以上の訓練になります。
予備自衛官の中でも自衛隊未経験である予備自衛官補から任用された者を、公募予備自衛官と区別して呼びます。
予備自衛官の人員が全国で33850人に対して、公募予備自衛官は3333人と全体の10%足らずなので、多少のアウェイ感はあります。
また予備自衛官訓練の駐屯地によっては元自衛官のOB会みたいになるそうです。
私も11月に予備自衛官になって初の訓練がありますので、いずれブログでも訓練の様子等の記事を書ける範囲内で書きたいと思います
2020年11月に予備自衛官5日間訓練に出頭してきました。
下記にレビュー記事書いてますので、参照してみてください。
即応予備自衛官
即応予備自衛官は、自衛隊在職期間が1年以上で退官一年未満の者もしくは自衛隊経験のある予備自衛官であればなることができます。
しかし、2019年にルールが変わり公募一般予備自衛官でも3年間で約40日の特別な訓練を修了したら、即応予備自衛官になることができます。
技能予備自衛官は残念ながら対象外です。
今のところの職種は普通科の小銃と迫撃砲だけで、今後増える可能性もあるそうです。
災害派遣・防衛出動・治安維持・国民保護等派遣・訓練出頭の義務があり、有事の際は現役自衛官と同等の扱いで、第一線での任務につくことになります。
よって年間訓練も30日と非常に多く、また非常に厳しい訓練です。
普段の仕事と両立しながら30日という日数を作らなければならないのでやめる人も多く、人数も全国で4330人と定数の約半分しかいません。
即応予備自衛官についての記事がありますので、参照してみてください。
予備自衛官の処遇
それぞれの予備自衛官の手当等の処遇について簡単にまとめたいと思います。
予備自衛官補
・手当
訓練日当7900円
・訓練日数
一般:5日間✖️10タイプ=50日
技能:5日間✖️2タイプ=10日
・任期
一般:3年
技能:2年
一般の任期は基本は3年ですが残りの課程数によっては1年延長も可能です。
目安としては残り10日間なら4年目に延長できますし、地方協力本部の担当官との相談で10日間以上残ってても延長できます。
・出頭義務
訓練出頭のみ
予備自衛官
・手当
訓練日当:8100円
予備自衛官手当:4000円/月
予備自衛官手当は3ヶ月ごとに12000円が支給されます。
支給月日は5・8・11・2月です。
・訓練日数
年間5〜20日間
中央予備自衛官集合訓練等の特別な訓練出頭命令がない場合は、通常の5日間の訓練のみです。
・任期
3年1任期
・出頭義務
訓練出頭
防衛出動
災害派遣
国民保護等
義務ではありますが災害派遣は家族や仕事の都合で断ることも可能ですが、防衛出動は基本的に拒否権はありません。
これは予備自衛官だけでなく即応予備自衛官も同じです。
訓練出頭できなかった場合は次の年度からは毎月の手当の支給が止められますが、訓練出頭すれば支給されるようになります。
即応予備自衛官
・手当
訓練日当:10400〜14200円
即応予備自衛官手当:16000円/月
雇用企業給付金:42700円/月
勤続奨励金:120000円/1任期
即応予備自衛官には1等陸士〜2等陸尉の階級があり、手当は階級ごとに変わってきます。
雇用企業給付金は即応予備自衛官の雇用主に対して、社員を有事の際にお借りすることに対しての負担緩和のために支給されます。
・訓練日数
2〜4日✖️12タイプ=年間30日
・任期
3年1任期
・出頭義務
訓練出頭
防衛出動
災害派遣
国民保護等
治安維持
予備自衛官と同じで防衛出動は基本的に拒否権はありません。
まとめ:予備自衛官はいざという時の重要な戦力
いかがでしたか??
学生や社会人でも予備自衛官制度を利用すれば、自衛隊の世界に足を踏み入れることができる世の中です。
訓練はきついこともありますが、普通の社会じゃ絶対経験できないことばかりです。
また、学生から社会人など様々な属性の人間と知り合えるチャンスでもあります。
国のために貢献したいとか、見聞を深めたいとかどんな理由でもいいので予備自衛官になってみませんか??
本業ではないからこそ嫌になったらやめればいいんです。
また気になる事や、聞きたい事がありましたら、ツイッターのDMで質問お願いします。
答えれる範囲内で回答します。
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