どうも!!ブログ管理人のfujiです。
いざという時の防衛力である予備自衛官ですが、訓練出頭や毎月の任官手当などの給料を国から貰うことができます。
一応国に雇われてる特別国家公務員という立場ですからね。
高額な手当というわけではありませんが、チリも積もれば山となります。
そこで今回は副業としてお金を稼ぐという観点で、予備自衛官制度について考えていきたいと思います。
果たして予備自衛官は稼げる副業先なのでしょうか??
現役予備自衛官の私が徹底的に解説したいと思います。
予備自衛官の各種手当について解説
予備自衛官制度には
・予備自衛官補
・予備自衛官
・即応予備自衛官
の3種類があります。
それぞれ年間の訓練日数や日当金額が変わってきます。
まずは3種類の予備自衛官の手当について解説します。
それぞれの予備自衛官について詳しく知りたい方は、下記記事で詳しく解説してるので参照してみてください。
予備自衛官補の手当について
まずは自衛隊未経験の一般人が最初に任官する予備自衛官補の手当について解説します。
・訓練日当手当
予備自衛官補の訓練日当金額は7900円です。
5日間の連続出頭が基本になるので、一つの課程を終了すると39500円が手当として貰えます。
5日間訓練を10回の合計50日の訓練を3年以内に終了させなければなりません。
50日の訓練手当が合計395000円になりますので、1年で約13万円の手当が貰えることになります。
毎月1万円強と考えたら少なくはない金額ですよね。
・訓練参加旅費手当
予備自衛官補の教育駐屯地は、各方面隊に1〜2箇所しかありません。
※陸上自衛隊 予備自衛官補の教育訓練より
自宅から最寄りの教育駐屯地までの旅費は距離計算で支給されます。
確か10キロ以上から旅費が貰えたはずです。
距離計算なので交通手段によってはプラスにもマイナスにもなります。
予備自衛官補の同期が名古屋〜京都の往復を新幹線にしたら、少しマイナスだったと言ってましたね。
夜行バスや新幹線の割引切符などの別の選択肢を賢く使えばそこそこプラスになりそうですね。
私も予備自衛官補訓練の時に、福岡〜鹿児島までの新幹線の早割を利用して往復で4000円くらい安くなりましたからね。
金券ショップやネット予約、自動車の下道戦法などいろいろ模索してみましょう。
距離で計算される旅費ですが、沖縄などの離島に住んでる方だけ例外です。
なぜなら飛行機を使う必要があるので、交通費実費が旅費として支給されます。
沖縄や離島に住んでる人は飛行機の領収書が必要になるので、忘れないようにしましょう。
予備自衛官の手当について
次に、予備自衛官補50日召集訓練を終了した一般人や、自衛隊経験1年以上の方がなれる予備自衛官の手当について解説します。
・訓練日当手当
予備自衛官の訓練日当は8100円です。
予備自衛官補と比較して200円アップですね!!
予備自衛官は1年間の訓練日数は5〜15日間と決められてます。
方面総監訓練や中央訓練などの特別な訓練も用意されてますので、運がよければ1年間で15日の訓練を受けることができます。
よって1年間の訓練日当手当は40500〜121500円貰えます。
予備自衛官補と比較したら少ないですね。
15日間訓練に出頭できると言っても、方面総監訓練や中央訓練などの特別訓練は希望すれば参加できるようなモノでもありません。
大半の予備自衛官が5日間の訓練しか参加できないのが現状です。
方面総監訓練や中央訓練などの予備自衛官が参加できる特別訓練の概要や、訓練参加権を獲得するためのコツを下記記事で解説してるので参照してみてください。
・訓練参加旅費手当
予備自衛官も予備自衛官補と同様に、自宅から訓練駐屯地までの距離で旅費が計算されます。
しかし、予備自衛官の訓練駐屯地は自宅がある都道府県内になります。
都道府県によりますが、都道府県内に2〜4箇所訓練駐屯地が設定されてます。
訓練日の都合が合わない等の事情がない限り、最寄りの駐屯地を選ばなければなりません。
よって旅費の金額としてはガソリン代程度なので雀の涙ですね。
特別訓練に参加すれば県外の駐屯地での訓練になるので旅費で稼ぐことも可能ですが、予備自衛官においては旅費で稼ぐという発想は諦めましょう。
・職務手当
予備自衛官に任官すると毎月4000円の職務手当を貰えます。
3ヶ月ごとに12000円が指定口座に振り込まれます。
3・6・9・12月が振り込み日になります。
職務手当の合計は48000円です。
毎月4000円の配当金と考えたらそこそこの金額ですね。
予備自衛官は1年間に5日間の訓練出頭義務があるので、1年間訓練に出頭しなければ翌年の職務手当は貰えません。
職務手当が貰えなくなっても、訓練に参加すれば職務手当が貰えるようになります。
即応予備自衛官の手当について
1年以上の自衛隊経験者や約40日の転換教育を終了した一般公募予備自衛官が、即応予備自衛官になることができます。
即応という名前が付くだけあって、現役自衛官と同等の能力や職責を求められます。
その分手当も予備自衛官の中では破格の待遇です。
つい最近まで自衛隊OBしか即応予備自衛官に任官できませんでしたが、法改正で予備自衛官補上がりの予備自衛官にも門出が開かれました。
即応予備自衛官の詳細や一般人でも即応予備自衛官になれる方法など、下記記事で解説してるので参照してみてください。
・訓練日当手当
即応予備自衛官は階級によって日当手当の金額が違います。
階級別の日当手当は以下のようになります。
2尉:14200円 | 曹長:13200円 | 3曹:11300円 |
3尉:13700円 | 1曹:13200円 | 士長:10400円 |
准尉:13200円 | 2曹:12600円 | 1士:10400円 |
即応予備自衛官の年間訓練日数は30日なので、312000〜426000円くらいの手当を年間で貰えます。
予備自衛官と比較してもそれなりの好待遇ですね。
即応予備自衛官の訓練内容は、予備自衛官と比べて桁違いにキツいので割りに合わないかもしれませんけどね。
・職務手当
即応予備自衛官に任官すると毎月16000円の手当が貰えます。
なんと予備自衛官の4倍の手当です!!
3ヶ月に1度支給されるので、48000円が指定された口座に振り込まれます。
年間192000円の手当は魅力的ですね。
ちょっとしたボーナスくらいの金額はあります。
・勤続奨励金手当
即応予備自衛官には3年に1度のボーナスが支給されます。
3年間訓練をサボることなく出頭してくれたお礼として120000円が支給されます。
本業をしながら年間30日の訓練を3年勤め上げるのは大変なことですが、12万円の勤続奨励金で溜飲は下げれますね。
このほかにも即応予備自衛官を雇用する企業に対しても手当を支給してます。
個人に対しての手当でなく会社の懐に入っていくので、ここではノーカウントとします。
・訓練参加旅費手当
即応予備自衛官の訓練駐屯地は各都道府県によって様々です。
一つの駐屯地で受け持つこともあれば、訓練カリキュラムによって駐屯地を変えることもあります。
また、最寄りの駐屯地にコア部隊が出向いて訓練を実施する場合もあるので、旅費で稼ぐという発想は難しいですね。
予備自衛官同様に距離計算なので、旅費については諦めましょう。
予備自衛官の福利厚生について
訓練参加中は基本的に駐屯地内で生活することになります。
駐屯地に拘束されるというデメリットはありますが、訓練参加中の生活全てを自衛隊に負担してもらえるというメリットもあります。
風呂・メシ・ベット付きで電気・水道代ももちろん全てタダです。
1人暮らしなら1日1000円くらいは生活費としてかかりますもんね。
自衛隊の訓練に出頭するだけで生活費を負担してもらえる、と考えてもいいかもしれませんね。
まぁ実家暮らしの方やルームシェアをしてる人もいると思うので、全員に当てはまる恩恵ではありませんけどね。
実際に予備自衛官がどれくらい稼ぐのかシュミレーション
実際に予備自衛官がどれくらい稼ぐのかシュミレーションしてみます。
条件は以下のようにします。
・一般人から予備自衛官になるルート
・期間は5年間
・予備自衛官特別訓練に参加
交通費は住んでる地域によってプラス幅が想定できないので除外します。
また、食事やお風呂等の生活費についても除外します。
あくまでコスト負担がなくなるだけであって収入としてプラスにならないからです。
まぁ、交通費や生活費についてはおまけ程度で少しプラスになるなと考えてくれたら幸いです。
シュミレーション結果
「一般人が予備自衛官補から予備自衛官になる」というシチュエーションで計算した表が下記になります。
予備自衛補 | 予備自衛官 | 合計 | ||||
期間 | 1年目 | 2年目 | 3年目 | 4年目 | 5年目 | |
訓練出頭日数 | 15日 | 15日 | 20日 | 10日 | 10日 | 70日 |
訓練日当手当 | 118500円 | 118500円 | 158000円 | 81000円 | 81000円 | 557000円 |
職務手当 | 48000円 | 48000円 | 96000円 |
合計金額が653000円です。
年間平均で130600円、月に10883円です。
この金額が高いか安いかは人それぞれですかね。
平均日当にすると9328円で都会のコンビニバイト程度です。
予備自衛官制度を利用して稼ぐことは難しい
予備自衛官の手当では、副業としてお金を稼ぐことは難しいです。
即応予備自衛官になれば、それなりの手当を貰うことができます。
しかし、一般人から即応予備自衛官になるのは険しい道のりですし、年間30日も訓練に出頭しなければならないので本業との両立が難易度高すぎです。
現実的に予備自衛官が妥当ですが、バイト程度の手当のためにキツい訓練を受けるのも正直バカらしいです。
まぁ、いまだに副業を禁止してる企業もある中で、会社の規則の範囲内でお金を稼ぐ手段としてはアリかもしれませんね。
バイト等の副業禁止だから予備自衛官も禁止、という企業はそうそうないでしょう。
予備自衛官制度は国が推進してる取り組みですからね。
まとめ:予備自衛官制度ではお金は稼げないが…
予備自衛官制度は副業として選択しない方が良いです。
手当も少なく訓練もキツいのでコスパは悪めです。
しかし、私はお金をもらいつつ貴重な経験ができる予備自衛官制度は魅力的に思えます。
日本で合法的に銃を撃つことができますし、学生から社会人まで様々な人間と交友を深めることができます。
お金は予備自衛官制度以外からでも稼ぐことができますが、予備自衛官制度でしか経験できないこともあります。
お金を稼ぐ副業としてはゴミですが、人生経験として必ずプラスになるでしょう。
人生一度きりですからね。
毎日同じことの繰り返しの生活に、少しのスパイスとして予備自衛官を混ぜてみるのも一興ですね。
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