予備防衛力の要!!即応予備自衛官について解説します!!

JSDF hack
スポンサーリンク


はじめまして!!ブログ管理人のfujiです。


2019年10月13日に日本に上陸した大型台風19号の被害は凄まじく、河川の決壊で長野県にある北陸新幹線の車両基地が水没するなど、各地に大きな爪痕を残しました。

この事態に初動対応として自衛隊員2万7千人で、各地の人命救助・復旧作業にあたることとなりました。

また早急な人命救助・継続的な復旧支援のために、15日の閣議で即応予備自衛官・予備自衛官の災害派遣命令を決定しました。



メディアでも予備自衛官の活躍が報道されてますが、「そもそもどんな人たちなの??」という疑問を持たれる人も多いと思います。

そこで今回は、国防の予備戦力である予備自衛官の中でも精鋭部隊である即応予備自衛官について、現職予備自衛官の私が解説します。

スポンサーリンク

陸上自衛隊の即応予備自衛官とは




早速ですが即応予備自衛官について解説します。


ざっくり説明すると予備自衛官制度の一つであり、有事の際には現職自衛官と同等の任務を遂行する人たちです。

ざっくりしてるので詳しく解説していきます。


そもそも予備自衛官制度ついてよく知らない人には、下記の記事で詳しく解説してますので、そちらの方を参照してみてください。

二足のワラジ??副業!?予備自衛官について徹底解説!!!
日本には徴兵制度はありませんが、志望制の予備自衛官という制度があります。震災や災害の際に活躍しているところがフォーカスされ知名度は年々上がってきましたが、まだまだ一般的ではありません。いざという時の防衛力の予備自衛官について解説します。




即応予備自衛官の概要について


普段は会社員などそれぞれの職業に従事しており、技術・技能の練度維持のために年間30日間の訓練をこなします。

身分としては非常勤の特別国家公務員です。



予備自衛官は年間に5日間ですが、即応予備自衛官はその6倍の訓練日数でしかも専門性の高い訓練内容になってます。

なぜなら、即応予備自衛官は有事の際に現職の自衛官と同じ任務につき、現場の第一線での活躍を期待されてるからです。


有事の際とは

・防衛招集
・国民保護
治安維持
・災害派遣

上記のことです。

治安維持とは、一般の警察だけでは治安を維持することができない場合において、自衛隊が出動することであり、即応予備自衛官にのみこの義務があります。

具体的にはテロリストによる攻撃とか民衆の暴動とかが想定されてますが、自衛隊による治安維持出動は過去に一度もないそうです。


予備自衛官には治安維持の出動義務がないことから、即応予備自衛官の任務遂行能力の高さが伺えます。


今まで即応予備自衛官の出動実績は5回あります。

・H23年 東日本大震災
・H28年 熊本地震
・H30年 西日本豪雨
・H30年 北海道胆振東部地震
・R元年 台風19号被害

年々深刻化する自然災害への人命救助・復旧作業に即応予備自衛官は無くてはならないものになってます。



即応予備自衛官になるには、元自衛官であることが必須条件でした。

しかし法改正により、2019年度から自衛官未経験者でも即応予備自衛官になることが可能になりました。

詳しくは記事の後半で解説します。


ちなみに即応予備自衛官制度は陸上自衛隊のみで、海自や空自にはありません。


即応予備自衛官の訓練内容


出動命令があった際は、現職の自衛官と同等の働きをしなければならないので、非常に練度の高い訓練内容になってます。

1年間で30日の訓練日数で、2〜4日間のカリキュラムが12回あります。


基本的に各方面隊の即応予備自衛官を主力とするコア部隊があり、コア部隊が所属する駐屯地で訓練を実施します。

例外的に参加者の住んでる場所によっては、コア部隊が最寄りの駐屯地に出向いて訓練を実施することもあるそうです。






※陸上自衛隊 即応予備自衛官の訓練より


迫撃砲や狙撃銃射撃、小隊や連隊規模での部隊訓練では夜間訓練もありますので現職自衛官さながらの訓練内容ですね。


訓練内容もそうですが、これらのカリキュラムを本来の職業と両立してる即応予備自衛官の方々には脱帽です。

即応予備自衛官の手当


日頃の厳しい訓練や、求められる能力の高さから予備自衛官とは比べものにならない金額の各種手当が支給されます。


予備自衛官は年間手当合計が88500円ですが、即応予備自衛官は階級にもよりますが、544000〜658000円ほど年間の手当が支給されます。

手当の支給額について詳しく解説します。

・即応予備自衛官手当


即応予備自衛官手当:16000円/月


即応予備自衛官に任官すると支給される手当です。

指定口座に3ヶ月分まとめて振り込まれるので、年間4回手当が支給されます。

この手当は、即応予備自衛官任官での負担に対する手当ですので、防衛出動の有無にかかわらず訓練さえ出頭していれば毎月貰える手当です。


・訓練招集手当


訓練招集手当:10400〜14200円/日

即応予備自衛官の訓練に出頭すると支給される手当です。

指定階級により以下のように金額が変わってきます。

2尉:14200円 曹長:13200円 3曹:11300円
3尉:13700円 1曹:13200円 士長:10400円
准尉:13200円 2曹:12600円 1士:10400円


訓練期間中は駐屯地に住むことになり、衣食住は全てタダです。

健康的な3食風呂付きと考えれば、悪くない金額かもしれませんね。


大体の駐屯地の娯楽室とかには冷水機があるので、1円も使うことなく生活することは可能です。

私が予備自衛官補だった頃の同期に、1円も使わないで5日間の訓練を凌いだ猛者もいました。

キツい訓練なのに自らの煩悩さえも捨て去るなんて、ストイックすぎですね笑


訓練終了後2週間程度で、口座に金額が振り込まれます。

・勤続報奨金


勤続報奨金:120000円/3年


1任期を勤め上げたボーナスとして支給されます。

1任期は3年になりますので、年平均で40000円ですね。

しっかりと訓練に出頭して、真面目に取り組めば支給されます。


・即応予備自衛官雇用企業支給金


即応予備自衛官雇用企業支給金:42500円/月


即応予備自衛官を雇用している事業主に対して支給される手当になります。

即応予備自衛官1人に対して支給されますので、2人雇用してるならば2倍の金額が支給されます。


訓練出頭スケジュールと勤務スケジュールの調整などの負担に対しての手当となります。

・雇用企業確保給付金


雇用企業確保給付金:34000円/日

有事の際に予備自衛官が出動し、会社を欠勤した日数分の手当が90日を上限として雇用主に支給されます。

この手当は即応予備自衛官だけでなく、予備自衛官にも該当します。

有事の際に出動先で怪我をしてしまい、会社に出勤できなくなった場合でも支給されます。


スポンサーリンク

即応予備自衛官へのステップ




即応予備自衛官になるための方法について解説します。


自衛隊経験者と未経験者では条件が異なりますので、そこについて詳しく解説します。

自衛隊経験者



※防衛省 陸上自衛隊 福岡地方協力本部より

いろいろ条件が複雑なため上記のフロー図を参照してください。

ポイントとしては自衛官として1年以上の経験があることが必須条件となります。

自衛隊経験が1年未満もしくは未経験であれば、まずは予備自衛官補を目指す必要があります。


また自衛隊を退官して1年以上経過してるならば、一度予備自衛官になる必要があります。

自衛隊未経験者


2019年度より、自衛隊未経験者である公募一般予備自衛官でも即応予備自衛官に任用できるようにルールを改正しました。

技能予備自衛官は対象外になります。


自衛隊未経験者・自衛隊経験1年未満の方は以下のステップになります。

・予備自衛官補一般試験合格

・予備自衛官補一般招集訓練修了

・即応予備自衛官移行訓練修了

・即応予備自衛官任官


予備自衛官補一般の募集要項や合格までの手順は、下記記事に詳細に解説してますので参照して見てください

予備自衛官補試験合格までのロードマップを徹底解説!!
社会人や学生が予備自衛官を目指すには、まず予備自衛官補にならなければなりません。合格倍率は約3〜4倍です。この記事では予備自衛官補申込から試験・合格後の流れやポイントについて解説してます。この記事を見れば、予備自衛官補合格間違いなしです。

 

・即応予備自衛官移行訓練


一般公募予備自衛官の即応予備自衛官への任用は、2019年度決定されたばかりのルールです。

よって訓練内容などまだ決まってないところも多いようです。

またこの移行訓練も正式名称ではありませんのでご了承ください。



一般公募予備自衛官が即応予備自衛官になるには、3年以内に40日の訓練を修了する必要があります。

予備自衛官の年間訓練日数の上限は20日と決められているので、最短でも2年はかかります。

移行訓練を受けてる最中は、予備自衛官5日間訓練は免除されるようです。



職種としては普通科の「小銃小隊」と「迫撃砲小隊」の二つがあり、今後増えることも想定されてるようです。


予備自衛官補訓練が陸上自衛隊新隊員の前期教育に相当してたので、移行訓練では後期教育に相当する訓練であると考えられます。


また、修了すれば即応予備自衛官として現職自衛官と同等の働きを期待されてるので、予備自衛官補以上の厳しい訓練になるでしょう。

練度判定でも厳しく指導・不合格等も考えられます。

新隊員教育以上、駐屯地によっては陸曹教育隊ばりの厳しい訓練が待っていると想像したら、ゾッとしますね。



ちなみに私は2つの駐屯地で予備自衛官補訓練を修了しましたが、駐屯地によって厳しさが全然違いました。

方面隊によって厳しさが違うことは容易に想定できます。




一般公募予備自衛官が資格取得により、技能予備自衛官に任官した場合は即応予備自衛官移行訓練を受けることはできません。

そして、一般予備自衛官に戻ることもできませんので注意してください。


私は公募予備自衛官ですが、2級自動車整備士の資格を持ってるので技能に変更しようと考えてました。

しかしルール改正により、即応予備自衛官への門戸が開かれたので非常に悩んでおります。


スポンサーリンク

まとめ:一般人でも即応予備自衛官を目指せる時代になった


いかがでしたか??

災害や有事の際に最前線で活躍する即応予備自衛官

精鋭部隊である即応予備自衛官は、自衛隊未経験者でもなれる時代になりました。


長期休暇の多い大学生ならば、最短3年で未経験から即応予備自衛官に任官することも可能です。

私の同期でも、夏休みの期間で予備自衛官補の50日の訓練を修了した猛者もいますからね。




立派な国防意識じゃなくても、気分転換や新たな刺激を求めてとりあえず予備自衛官補から目指してみませんか??

一度きりの人生です。

自分の知らない世界を経験することは、自分の財産になりますよ。

嫌になれば辞めればいいわけですからね。


何か聞きたいことや、分からないことがありましたらTwitterのDMからよろしくお願いします。

コメント

タイトルとURLをコピーしました