どうも!!ブログ管理人のfujiです。
自衛隊未経験者の一般人が予備自衛官になるには、一般か技能予備自衛官補になって所定の訓練を修了する必要があります。
一般か技能どちらを選ぶか悩みどころではありますよね。
私も技能予備自衛官補の受験資格を持ってたので、どちらを選択するか非常に悩みました。
そこで今回は現役予備自衛官の私が、一般予備自衛官と技能予備自衛官のメリット・デメリットについて解説します。
ちなみに私は、一般予備自衛官補を選択して予備自衛官に任官しました。
一般予備自衛官のメリット・デメリットについて
まずは一般を選択した時の、予備自衛官補訓練や予備自衛官に任官してからのメリット・デメリットについて総合的に考えた解説をします。
予備自衛官制度や技能・一般の違いについてよく知らない人は、下記記事で解説してるので復習しておきましょう。
一般予備自衛官のメリット
一般予備自衛官を選択した場合のメリットについて解説します。
私自身が一般を選択した身ではありますが、一歩引いた目線から解説しますので安心してください。
自分の所属兵科をひいきするようなことはしません。
・充実した訓練内容
一般予備自衛官補は3年間で合計50日という訓練をこなす必要があります。
イメージ的には自衛隊新隊員の基礎教育である前期教育に該当します。
新隊員は3ヶ月ですが、予備自補は50日ですけどね。
多少は駆け足になりますが、前期教育を周到した訓練内容になっており、200m実弾射撃や分隊での戦闘訓練、25キロ行進や掩体構築など自衛隊員としての基礎をみっちりと叩き込まれます。
訓練内容がハードではありますが、一般人を基幹隊員と一緒に仕事できるレベルにまで持っていくには仕方ないことだと思います。
5日間訓練を10回も受けなければなりませんが、充実した訓練生活を送ることができるので、自分の成長を感じながらの楽しい訓練になるでしょう。
・即応予備自衛官を目指すことができる
即応予備自衛官は自衛隊経験が1年以上ある者にのみ任官できます。
しかし2019年度の法改正により、自衛隊未経験の予備自衛官でも即応予備自衛官になれるようになりました。
しかし、即応予備自衛官を目指せるのは一般予備自衛官だけであり、技能予備自衛官には資格がありません。
3年で合計40日の即応予備自衛官移行訓練を受ける必要はありますが、予備戦力の要である即応予備自衛官を目指せるのは大きなメリットではないでしょうか??
即応予備自衛官についてイメージが湧かない人には、即応予備自衛官についての記事がありますので参照してみてください。
一般予備自衛官のデメリット
一般予備自衛官のデメリットについて解説します。
・階級が上がらない
一般予備自衛官補から一般予備自衛官に任官したら予備二等陸士という階級が与えられます。
海上自衛隊でしたら海士、航空自衛隊でしたら空士ですね。
まぁ、自衛隊未経験なら空自の予備自衛官にはなれませんし、船舶の免許を持ってなければ海自の予備自衛官にはなれませんけどね。
予備二等陸士になって1年経てば一等陸士、さらに一年経てば陸士長の階級まで上がることができます。
しかし一般予備自衛官は陸士長以上の階級に上がることはできません。
自衛隊経験のある人は退役時の階級がそのまま予備自衛官としての階級になります。
階級なんて所詮は見栄ですが、階級社会の自衛隊においては階級が全てです。
どれだけ優秀でも、一般社会で培った技術や見聞があっても、階級が下であれば下なのです。
一兵卒の発言には何の権限もありません。
自分の能力と自衛隊の活動をミックスさせ新たな価値を創造したいと思えば思うほど、階級というどうにもならない壁が立ちはだかることでしょう。
・班長の指導が厳しい
一般予備自衛官補は34歳という年齢制限があるので、比較的年齢層は若めになります。
約7割が大学生で30代の社会人は数えるくらいしかいませんね。
訓練参加者がほぼ20代前半ということもあり、班長たちからすれば新隊員を彷彿とさせるのでしょうね。
それなりに厳しい指導が容赦無く飛んできます。
今でこそパワハラに対して厳しい時代になりましたが、駐屯地内ではお構いなしです。
体罰まがいの連帯責任での腕立て伏せは今はないようですが、厳しい口調での指導は健在ですね。
ちなみに班長も一緒に腕立て伏せをやるのなら体罰にならないという独自ルールはありますけどね。
技能予備自衛官補は医者や弁護士、特殊技能を有した人たちが集まってくるので年齢層はかなり高めです。
年齢も上で求められる能力も全く違うので、班長たちの指導方法も超優しいです。
隣の隊舎から技能の方々の訓練風景を見てましたが、完全にお客様扱いでしたね。
一般予備自衛官補はお客様ではありません。
家畜扱いなので覚悟しておきましょう。
・任官までの険しい道のり
一般予備自衛官補は5日間訓練を計10回受ける必要があります。
訓練の受ける順番もある程度決まってるので、駐屯地が設定する訓練カリキュラムと自身の都合が噛み合わないこともしばしばです。
そもそも学生でも夏休みでなければ、5日間連続で予定を開けるなんてかなりの負担です。
会社員であれば、上司や会社の理解があってもかなり難しいでしょう。
予備自衛官制度なんてまだまだ認知度も低く、社会から受け入れられてるモノではありませんからね。
訓練内容がキツいだけでなく、スケジュールを合わせたり周りからの理解が必要であったりと予備自衛官補の取り巻く環境は厳しいです。
しかも3年以内で50日を修了させるという制限付きですからね。
これだけ険しい道のりなので、予備自衛官補から予備自衛官に任官するのは約2割程度だそうです。
そもそも予備自衛官補の倍率は3〜4倍程度と言われてるので、100人の内5人程度しか予備自衛官になれない狭き門なのです。
技能予備自衛官のメリット・デメリット
次に技能予備自衛官を選択した場合の、予備自衛官補訓練や予備自衛官に任官してからのメリット・デメリットについて総合的に考えた解説をします。
技能予備自衛官のメリット
技能予備自衛官のメリットについて解説していきます。
・年齢の上限が高い
一般予備自衛官補の場合は34歳までがリミットでしたが、技能予備自衛官補は保有する技能によって53〜55歳までOKです。
年齢制限の上限が高いのはありがたいですよね。
ゆっくり時間をかけて予備自衛官補を目指そうか考えることができます。
また、一般予備自衛官補を年齢制限で目指せなくなったとしても、技能資格を取得すれば技能予備自衛官補を目指すことが可能です。
経験年数が必要な技能もありますが、英語であれば英検準1級レベルであればOKです。
TOIECで言うと990点満点中740〜820点くらいですね。
英語以外でも今後仕事で資格を取得する機会があれば、諦めてた予備自衛官への道が開かれるかもしれませんね。
参考に技能予備自衛官の募集要項のリンク先を添付しておきます。
・特別な訓練に参加することができる
予備自衛官に任官したら、通常の5日間訓練の他に特別な訓練に参加することができます。
技能予備自衛官であれば、有する技能の練度向上のための職務訓練やYS訓練などの特別な訓練に参加することが可能です。
YS訓練とは日米共同方面隊指揮所訓練といって、通称YS(山桜)と呼ばれます。
語学や法律の技能を有してる方が多く参加されてるイメージですね。
一般予備自衛官も方面総監訓練や中央訓練などの特殊な訓練に参加することは可能ですが、日米合同の訓練に参加できるのは技能予備自衛官の特権でしょう。
YS訓練には元自衛官の一般予備自衛官が参加されることもあるそうですが、自衛隊未経験の一般公募予備自衛官は参加できないそうですね。
・訓練が職業交流会と化す
技能予備自衛官補は年齢は比較的高めですが、医者や弁護士や看護師、プログラマーや無線士、整備士など多くの技能スペシャリストが勢ぞろいします。
訓練の課業後はさながら職業交流会になってましたね。
技能の方と同じ隊舎で生活する機会がありましたが、課業後はお互いの名刺交換や仕事の裏話で盛り上がってましたね。
一般予備自衛官にも社会人はちらほらいますがほぼ学生ですからね。
こっちはアホで下世話な話で盛り上がってましたね。
正直いうと技能の方の交流会が羨ましく思いましたね。
技能予備自衛官のデメリット
次は技能予備自衛官のデメリットについて解説します。
・即応予備自衛官になれない
自衛隊未経験の一般公募予備自衛官は、3年で40日間の訓練を受けると即応予備自衛官になることができます。
しかし、技能予備自衛官は即応予備自衛官になることができません。
技能予備自衛官が即応予備自衛官になるには、一度技能予備自衛官を退役して一般予備自衛官補になって50日の訓練を修了し、一般公募予備自衛官になってから40日の即応予備自衛官移行訓練を受ける必要があります。
一般予備自衛官補には34歳というリミットがあるので、かなりハードルが高くなるでしょう。
年齢も20代で技能資格を有するなら、とりあえず一般予備自衛官補を目指すのが得策かもしれませんね。
一般から技能に変更するには、資格証明の書類を送るだけでOKですからね。
しかし、一般から技能に変更したら二度と一般に戻ることは不可能なので要注意です。
・モチベーションの維持が難しい
技能予備自衛官の方は能力を評価されて入隊された方が大半です。
そして、彼らも技能を生かした取り組みをやりたいと考えています。
技能を対象とした職務訓練が実施されることはありますが毎年あるわけではなく、職種によってはない場合もあります。
なので技能の方も一般と同じ5日間訓練を受けることもあります。
自分の能力を生かしたことをやりたいのに、一般の方との訓練でモチベーションが下がって辞めていく技能予備自衛官がそれなりの数いるそうです。
私も初めて5日間訓練に参加した時に、同室になった予備二等陸尉の方とお話をする機会がありました。
OB自衛官が9割の予備自衛官訓練では、気合い入れて訓練に参加する人は皆無なので張り合いのない訓練内容になりがちです。
自分の熱量と周りの差があるので、次第に熱量が奪われていくそうです。
OB組と公募組で分かれて訓練した方が効果的だ、ともおっしゃってましたね。
予備自衛官5日間訓練のレビュー記事も書いてますので、下記記事で予備自訓練の実情を覗き込んでみましょう。
・練度が高められにくい
技能予備自衛官補は10日間の訓練で技能予備自衛官に任官します。
この10日間で基本教練から銃の分解・結合、実弾射撃などを行います。
階級が上級曹や尉官や佐官などの幹部である彼らですが、10日の訓練では基本教練もままなりません。
統制や号令要領なんてものは身についてないでしょう。
しかし、階級社会の自衛隊では、上位階級の人が小隊長や中隊長などをこなさなければなりません。
医者は確か佐官なので、大隊長クラスです。
10日の訓練では階級に応じた統制能力を発揮できず、それが苦になり辞めていく技能予備自衛官も多いようです。
できないのに「大隊長よろしくね」なんて言われても無茶ですよね。
一般予備自衛官なら50日間とみっちりと訓練を受けれるので、基本教練や部隊指揮なんてものはお手の物ですからね。
10日間という短い訓練カリキュラムは技能予備自衛官の最大のデメリットでしょう。
まとめ:とりあえず一般予備自衛官を目指そう
技能予備自衛官になれる資格を持っていても、年齢に余裕があるなら一般予備自衛官を目指すのが最適解でしょう。
一般予備自衛官になれば即応予備自衛官を目指すこともできますし、技能資格を提出すれば技能予備自衛官になることもできます。
50日という訓練はとても辛く険しい道のりですが、一般人が自衛隊員と肩を並べて仕事をするのですからきつくて当たり前です。
若いうちは一般予備自衛官から即応予備自衛官を目指してみて、歳食ってきつくなったら技能予備自衛官になるルートが私の中でのゴールデンルートですね。
人それぞれ事情があるでしょうが、あなたにとっての最適解を模索してみましょう。
何か質問があればTwitterでリプくれれば対応しますよ!!!
コメント
私はリーマンショックのころ年齢制限ぎりぎりで予備自補(一般)になりました きついより楽しいかったです大人の部活みたいで
大学生ぐらいの子達と一緒に訓練できたし
予備自衛官になって10年ぐらいたって即応予備自の道ができたので志願して訓練に参加をしていましたが 同時に医療系の資格を取ったので 技能に変更したら即応の道が剥奪されました 半分近く訓練に参加していましたが 地連もこの事について盲点だったらしく方面から注意されたそうです 無念