自衛隊の入隊試験で予備自衛官補訓練を経験しておくことは有利になるのか??現役予備自衛官が解説します!!

JSDF hack
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どうも!!ブログ管理人のfujiです。

予備自衛官補訓練や自衛隊に関する記事を書いていると、たまにDMでこういった質問を受けることがあります。

・自衛隊に入隊したいと思っていますが、予備自衛官補訓練を経験しておくと、試験で有利になるのでしょうか??



今まで数人の方から質問を受けていて個別で回答してましたが、上記の質問への回答記事がネットに転がってないことに気づきました。


そこで今回は自衛隊入隊を目指す人に向けて、予備自衛官補訓練を終了しておくことが有利になるかどうかについて解説します。


予備自衛官補訓練で培った班長たちや予備自補同期の幹部自衛官のネットワークや、予備自衛官訓練でOB左官との雑談中のこっそりリサーチを元に本記事を作成しました。


それなりに納得していただける記事になっているので、最後まで見てくださいね。



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結論:予備自衛官補訓練を経験していても自衛隊の入隊試験では有利にはならない



早速結論ですが、予備自衛官補訓練を経験していようが予備自衛官として任期していた時期があったとしても、自衛隊の入隊試験においては合否にほぼ影響しません


全く同条件の2人のうち1人を落とすという決断の時という超ギリギリの時にちょっぴり影響するかな程度で、予備自衛官だからといってプラスに作用することはありません。


なぜ予備自衛官補や予備自衛官という自衛隊の制度を活用している人が優遇されないのか解説します。

公平な入隊試験に予備自衛官という肩書きは通用しない


自衛隊の入隊試験においては大きく分けて学科と面接という2つの項目があります。

学科においては自衛隊で求められる学力水準に到達しているかの確認のため実施されます。

自衛隊では体を動かすだけでなく、防衛に関する法律や自衛隊規則など多くのルールや決まりを覚えなければなりません


それだけでなく各火器や無線の使い方など、カラダとアタマが必要なのです。

カラダだけの筋肉バカには勤まらない職業であるということですね。


そして面接では、受け答えなどの最低限のコミュニケーション能力があるか偏った思想を持っていないかなどの確認のため行われます。


学科と面接の目的からして、予備自衛官の経験があるかどうかというのはほぼ合否には影響しないのです。

自衛隊といえども公務員職種ですので、公平性を重視した試験内容でなければならないのです。



また自衛官候補生や一般曹候補生の受験者は高校生ばかりではなく、社会人経験者や大学生など幅広い年齢層の受験者がいます。

幅広い受験者を公平に判断するには、受験者の経験等を加味した加点式の試験ではなく減点式の試験を採用するでしょう。


予備自衛官補訓練を経験してプラス加点を狙うよりも、学科の苦手な部分を勉強したり、面接での受け答えの練習をしてマイナスの部分を補う努力をしたほうが賢明でしょう。







上記2冊の参考者を一生懸命頑張れば、一般曹候補生や自衛官候補生の合格間違いないしでしょう。




面接で予備自衛官であることを強調しすぎるとマイナスになる場合も‥‥


面接で予備自衛官補や予備自衛官のことについてアピールしすぎると、マイナスになる場合もあります。

軽く触れる程度であれば問題ありませんが、深くまでいくと試験官から揚げ足を取られる恐れがあります


例えば駐屯地内での営内服務の細目についてや国家の3要素はなんであるかなど、試験官からのキラーパスが発生することがあります。


完璧に答えれないのであれば、予備自衛官補や予備自衛官のことについて強調してアピールする必要はないでしょう。


大半の受験者は予備自衛官補や予備自衛官に携わってないでしょうが、予備自衛官補を経験してないから劣っているということにはなりませんからね。


他の受験者と差をつけるのはそこではないということですね。


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それでも予備自衛官補訓練を経験しておくべきパターンもある


自衛隊の入隊試験において予備自衛官補や予備自衛官であることは、試験の合否にはほぼ影響しません。

しかし、予備自衛官補訓練を経験しておくべきパターンが2つあります。

自衛隊に入隊しようか悩んでいる人
幹部自衛官として将クラスまで出世したい人


上記の2パターンにおいては、予備自衛官補訓練を経験する価値があります。


自衛隊に入隊しようか悩んでいる人


予備自衛官補の受験資格は18〜34歳未満までなので、大学や専門学校に通学中で進路先として自衛隊を検討している人は予備自衛官補を経験する価値は十分にあります。


予備自衛官補訓練といえども教官は現職の自衛官ですし、訓練場所も駐屯地や野外演習場など現職自衛官と遜色ありません。


5日間✖️10回の50日間ではあるが、自衛隊生活のリアルを直接体験できるのです。


・自衛隊での前期教育を駆け足で経験することができる


予備自衛官補の合計50日に及ぶ訓練の内容は、自衛隊での前期教育に該当します。

前期教育は3ヶ月かけてしっかりやるので予備自衛官補訓練では少し駆け足ですが、200m射撃や分隊での戦闘訓練、25キロ行進など一通りの自衛官としての基礎を叩き込まれます


予備自衛官補訓練の内容について興味がある方は、下記記事で1〜3段階の訓練を詳細に解説しているので参照してみてください。



訓練内容もさることながら、課業後の生活も駐屯地内での集団行動なので、現役自衛官と同等の生活を送ることができます

駐屯地内での生活ルールや課業後の戦闘服や半長靴の整備なども行う必要があるので、5日間という短期間の訓練でありながら自衛隊に入隊したような生活を味わうことができるのです。



自衛隊に入隊した生活をあらかじめ経験しておくことで、自分が思い描いていた自衛隊とのミスマッチを確認することができます

実際に入隊して自衛隊生活が嫌になって脱柵(駐屯地からの脱獄)してしまう隊員もいるほどなので、定年まで自衛隊生活を過ごせれるかのお試しをしておく意味は大いにあります。


一度きりの人生を後悔のないものにするためにも大事なことですよね。


一般大学から幹部候補生学校に入校し出世を目指している人



自衛隊は完全なる縦社会で、階級が全ての世界です。

その階級社会の自衛隊で将クラスにまで出世を目指すならば、予備自衛官補訓練を経験しておく意味は大いにあります。


特に一般大学出身者の最大の壁である防衛大学出身者に打ち勝つには、かなりの努力をしなければなりません。


大企業にも学閥はありますが、自衛隊においても防衛大学という学閥が存在します

学閥を跳ね除けて出世したいのであれば、予備自衛官補訓練を経験しておく必要があるでしょう。



・防衛大学出身者との差を埋める必要がある


幹部候補生学校には一般大学や防衛大学から入校したA幹部と、自衛隊からの叩き上げであるB幹部と区別されます。

その中でA幹部である一般大学出身者は防衛大学出身者との大きな差を実感するはずです。


防衛大学の4年間で自衛隊の基本教練から射撃、戦闘訓練や国防論など自衛隊に関する知識を身につけています。

それに対して一般大学出身者は、一から自衛隊のノウハウを学ぶことになります。


少しでも防衛大学出身者との差を埋めるためには、予備自衛官補訓練を活用して自衛隊員の基礎くらいは身につけておく必要があるでしょう。


・幹部候補生学校で上位をとる必要がある


幹部候補生学校の成績は昇進の節目で影響してきます。

特に1尉から3佐への昇進の時にかなり響いてくるそうです。


将クラスを目指すのであれば、最短で佐官になっておきたいところですね。

そのために幹部候補生学校の成績で上位を取っておく必要があります。


前述しましたが、一般大学出身者において防衛大学出身者が大きな壁として立ちはだかってきます。

幹部候補生学校入校時に予備自衛官補訓練で自衛隊のノウハウを身につけておけば、多少は防衛大学出身者に追いつくことができます。


予備自衛官補訓練は前期教育程度の内容ですが、経験しておけば少なくとも同じ一般大学出身者の中では頭ひとつ飛び抜けることができます


射撃の練度はどれだけ実弾を撃ったことがあるか、実銃を触ってきたかに比例します。

幹部候補生学校で初めて触る程度のレベルでは、防衛大学出身者に勝つことはできません。


予備自衛官補訓練の教官にはレンジャー修了者なんかもいたりするので、射撃のノウハウを存分に吸収することができます。

現場の最前線で戦ってきた班長たちの経験を吸収することは、今後幹部としての素養を養う意味でも大切ですよね。


YouTubeやネット記事で学べないことは、現場で直接教えてもらうのが効率的なのです。


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まとめ:予備自衛官補訓練が自衛隊入隊の合否には影響しない



一般大学から幹部候補生学校に入校し将クラスの自衛官を目指すであったり、自衛隊に入隊しようか悩んでいるのであれば予備自衛官補訓練を経験しておくべき価値はあります。


しかし、自衛隊入隊の合否のために予備自衛官補訓練を経験しておくことはナンセンスです。

ほぼほぼ合否には関係ありませんからね


また、自衛官候補生や一般曹候補生であれば、前期・後期教育でみっちりと指導してもらえるので必要ないかなと思います。

半年も訓練を受けていれば、予備自衛官補訓練でのアドバンテージも埋まってしまいますからね。


あなたの目的に応じて予備自衛官補訓練を活用してもらえればいいかなと思います。

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