どうも!!ブログ管理人のfujiです。
このコロナ禍の中ではありますが、予備自衛官5日間訓練に行ってきましたよ。
予備自衛官補から予備自衛官に上がって2回目の出頭です。
初めての予備自衛官5日間訓練から約1年以上経ってますので、今回は予備一等陸士という立場で臨ませていただきました。
まぁ、予備自衛官においては階級なんてあまり意味をなしませんけどね。
今回は、予備自衛官5日間訓練の出頭レビューになります。
前回と訓練駐屯地が違いますし、コロナ禍という環境下でもあるので前回とは違った内容になっています。
前回の予備自衛官訓練初出頭の記事は下記から参照してみてください。
訓練出頭の際の手続きや基本的な内容を網羅している記事になってます。
コロナ禍での予備自衛官5日間訓練
今回の訓練はコロナ禍での実施ということもあり、例年とは違った対応をする必要がありました。
コロナウイルスを駐屯地に持ち込ませない、コロナ患者が発生した場合に拡散させないということを徹底している感じでしたね。
5日間訓練内容の詳細に入る前に、まずは駐屯地でのコロナ対応について解説します。
コロナ対策のため体温の検温が必要になってくる
訓練出頭日の3週間前くらいに地方協力本部から訓練への出頭命令書が届きますが、その封筒の中に体温管理記録表というものが同封されてます。
訓練出頭日の2週間前からの検温の記録をとる必要があります。
1日に朝・夕の2回の検温の記録を取らなければならないので、少し面倒ですね。
また、検温だけでなく、繁華街やスポーツジムなどの不特定多数の人との接触があったかどうかの記録も毎日とる必要があります。
・37.5度を超えると訓練に参加できない
訓練出頭までの2週間の間で体温が37.5度を超えると、原則として予備自衛官の訓練に出頭することはできません。
また、体温が規定値ギリギリであっても、不特定多数との接触がある場合にも訓練に参加できなくなる可能性があるようです。
訓練出頭日が決まったら、不用意に飲み会やイベント等には行かずにおとなしくしておきましょう。
・訓練中も常に検温
訓練出頭日には、駐屯地の入り口の門で検温を実施されます。
ここで体温が規定値以上であれば訓練に参加することができません。
また2日目以降も駐屯地に出入りするたびに検温が実施されます。
駐屯地に宿泊している人も起床後すぐに検温を実施し、体温管理表に記録をしなければなりません。
駐屯地内にコロナウイルスを絶対に侵入させないという気迫が感じられますね。
・コロナ患者が出た場合は軟禁を覚悟
訓練参加中にコロナ患者が出た場合は感染経路を判明させ、濃厚接触者を断定するために訓練参加者全員が拘束されることとなります。
訓練参加の3日前くらいにこのような連絡が来たので、正直びっくりしましたが当然の対応かと思います。
感染経路と濃厚接触者が断定されれば開放されるようですが、今回の訓練でコロナ患者は発生しなかったので詳細は不明です。
場合によってはクラスターの可能性もあるので訓練が途中で中止になり、全員PCR検査を受診するということも考えられるでしょう。
今回のコロナ禍を配慮して、仮に出頭したときに体温が高くて訓練に参加できなくなったとしても、1年で5日間というノルマを達成したことにしてくれる配慮がされるそうです。
これにより仮に体温が高くて訓練に出頭できなくても、毎月4000円の予備自衛官手当の支給が止まるということはありません。
予備自衛官5日間訓練の詳細について解説
コロナ禍対応の話はこれぐらいにして、本題の予備自衛官5日間訓練の詳細について解説します。
今回の訓練の大まかな流れとしては
金曜日:精神教育・健康診断・特殊武器防護・野外衛生
土曜日:体力検定・基本教練・射撃予習
日曜日:実弾射撃・小銃分解結合
月曜日:基本教練・至近距離での射撃・検問要領
火曜日:特殊武器防護・通信・駐屯地内警備
上記のような感じです。
今回の訓練駐屯地は前回とは場所が違います。
また、担当中隊も普通科連隊の中隊であり、即応予備自衛官や即応予備自衛官移行訓練も担当している部隊となります。
前回は確か特科連隊の部隊だったはずです。
担当中隊が変わっても予備自衛官5日間訓練の訓練カリキュラムが大きく変わることはありませんが、指導方法や訓練において重きを置いてる部分がぞれぞれで変わってきます。
それでは曜日ごとにかいつまんで解説していきます。
金曜日:精神教育・健康診断・特殊武器防護・野外衛生
訓練出頭の初日は健康診断ですね。
分割出頭で前回に健康診断を受けている場合は免除になります。
健康診断終了後は装備品の受領をします。
前回の訓練では階級章を縫い付ける作業がありましたが、今回はマジックテープ式だったので楽ですね。
分厚い戦闘服に階級章を縫い付ける作業は地味にしんどいですからね。
健康診断と中隊長からの精神教育が終わり、お昼ご飯まで残り1時間弱だったのでこれで午前中は終了だろうと思ってました。
しかし、その油断の隙を突くように集合の号令がかかりました。
最初のカリキュラムは特殊武器防護です。
防護マスクを7秒以内に装着する訓練ですね。
午前のカリキュラムを駆け足でこなし、午後からは野外衛生です。
止血帯の無い状況下での止血要領や人員の運搬方法、人工呼吸での蘇生要領などですね。
休憩は適宜ありましたが、前回の訓練とは明らかに毛並みが違うと感じました。
予備自衛官補時代にも駐屯地によって訓練のキツさの度合いが違かったので、予備自衛官訓練でも同様のことがあるのでしょう。
楽勝の5日間を過ごせると油断していましたが、雲行きが怪しくなったと感じた訓練初日でした。
土曜日:体力検定・基本教練・射撃予習
二日目の午前中の訓練は体力検定です。
・1500m急歩
・ジグザグドリブル
・反復横跳び
・握力
・垂直とび
・前屈
科目は上記の通りで、駐屯地が変わっても内容は一切変わりません。
女性の場合は前屈はありませんし、急歩も1000mです。
前回のリベンジと思い頑張りましたが、約70人中5位という結果でした。
あと数点ほど点数が上がれば1級を獲得できるところでしたが、2級という結果に終わりました。
1級受賞者には中隊長から記念品を貰ってましたね。
午後から停止間と行進間の基本教練です。
分隊ごとの6〜8人での訓練になります。
予備自衛官の訓練においては、予備自衛官補みたいに班長がつきっきりで指導をするということはありません。
基幹隊員も指導のため回ってますが、基本は分隊長や小隊長、そして幹部組の隊員が指導を担当します。
なので、OB自衛官である予備自衛官の方々から指導をされることとなります。
射撃の姿勢においても同様なので、活発にコミュニケーションを取りながらでないと精神的にしんどい訓練となります。
元OB自衛官ばかりの予備自衛官部隊なので、階級が一士や士長であれば優しく指導してくれます。
定年まで自衛隊を務めたOB予備自衛官であれば、曹長や准尉がゴロゴロいます。
3佐や1尉もフツーにいますからね。
普段の仕事が訓練や教育である自衛隊においては、教えるのが上手い人や好きな人が一般の会社に比べて多いように感じます。
「分からないので教えてください!!」と素直に教えて貰いましょう。
階級が上であればあるほど教えたがりな人が多いですからね。
日曜日:実弾射撃・小銃分解結合
訓練3日目は実弾射撃です。
よって朝から武器出しをして3トン半トラックに揺られながら野外演習場へ移動です。
前回は89式小銃でしたが、今回は64式小銃でした。
まだまだ予備自衛官補や予備自衛官訓練においては64式小銃がメインであるということですね。
訓練参加人数が多いので15時くらいまで演習場にいました。
なので、お昼ご飯は戦闘糧食でした。
缶詰タイプではなくパックタイプだったのでラッキーです。
OB自衛官の方々の話によると缶詰タイプはクソまずいらしく、缶の米はガチガチに押し固められて食べれたもんじゃないらしいです。
東日本大震災の時は3食缶詰だったらしく、被災者用のパンやお菓子がとてつもなく美味しそうに思えたそうです。
自分の射撃の番が来るまで基本的に自由なので、戦闘訓練場の窪みで日向ぼっこしてましたね。
射撃の結果は聞かないでくださいね。
予備自補の時より悪くなってます。
前回の予備自衛官訓練は大雨で射撃が中止になり、練度が著しく低下していることを言い訳にしておきましょう。
射撃が終わり駐屯地に帰ってきたら武器の清掃も兼ねて64式小銃の分解結合です。
帰宅組については自分の居室に戻り離隊準備、残りの人数で小銃の整備です。
1人2〜3丁の小銃整備なので大変でした。
こんなことになるなら分割出頭にすれば良かったなと思いましたね。
月曜日:基本教練・至近距離での射撃・検問要領
体力検定の筋肉痛に苦しみながら4日目の訓練です。
準備運動がてら基本教練をこなし、教育隊さながらの分隊指揮をテスト形式で実施しました。
指揮者は若手が指名されるので、自信がない人はあらかじめ予習をしておく必要があるでしょう。
まぁ、年間に5日の訓練しか無いのでできなくても恥じる必要はありませんからね。
基本教練が終わったあとは至近距離での射撃姿勢についての訓練でした。
伏せ撃ちや膝撃ちなどに体勢を変えることなく、立ったままでの射撃となります。
概ね15m程度の距離を想定するので、小銃の照門や照星を軽く覗き込む程度です。
控え銃の銃口が下向きの状態で、その状態から肩付けをするスピードが重要になります。
至近距離の敵を早く狙撃することに重きを置いた射撃方法ですね。
これらの訓練が終了し午前は終了です。
そして午後の訓練は、駐屯地や重要防護施設の出入り口での警備の訓練です。
要は検問要領ですね。
車両に乗ってきた人員を車両と人と切り分けて、それぞれを点検する方法について学びました。
また、ライナープレートと土嚢を使って出入り口の防衛陣地を構築しました。
手頃な写真がなかったので拝借しましたが、具体的には以下のような構築物ですね。
これにより銃からの攻撃から身を守れるようです。
土嚢を積むだけでなく、手やハンマーで土嚢を叩いて押し固める必要があるので非常に大変です。
土嚢を大量に使うので、運ぶのに一苦労ですね。
体力検定の筋肉痛がピークの時にこの作業はマジでシンドかったです。
火曜日:特殊武器防護・通信・駐屯地内警備
訓練最終日の午前中は特殊武器防護からスタートです。
訓練初日にやった方は見学で、分割出頭で特殊武器防護の訓練をやってない方メインでの訓練でした。
それが終わったら通信機器や暗視ゴーグルの使用方法についての講義です。
通信機器は小隊長や分隊長クラスが扱うので一兵卒にはあまり関係ありませんが、暗視ゴーグルは夜間の歩哨とかで使用するので使い方くらいは覚えておく必要があります。
最終日ということもあり、午前中の科目については楽な感じでした。
駐屯地で食べる最後のお昼ご飯を満喫して、午後からは駐屯地内での巡回警備の要領についての訓練です。
3〜4名の1分隊での警備訓練となります。
それぞれが前方や左右を警戒し、異常があれば分隊長に報告します。
分隊長は状況を無線にて連絡し対応を仰ぐこととなります。
不審物や不審者について初期対応が終われば支援にきた対処班に引き継ぎ、巡回警備の任務を続行することとなります。
駐屯地の中とはいえど、有事の際には敵国組織やそれに準じた反社会組織からの攻撃が想定されます。
不審者が侵入してないかとか、爆弾等が設置されてないか等を考えながら警備するのは想像以上に神経をすり減らしましたね。
駐屯地の検問や警備巡回は予備自衛官に与えられる任務の一つとなります。
今回の訓練では、前回よりもより予備自衛官の実践的な訓練内容となっていたように感じました。
今回の予備自衛官5日間訓練で感じたこと
今回は前回の訓練とは違う駐屯地の違う部隊での訓練でした。
訓練の内容としての大まかな枠組みは変わってませんが、細かなところは変わってました。
前回と今回の違いや感じたことについて解説します。
前回の予備自衛官訓練よりかなり厳しい
前回の訓練のヌルさもあり舐めてかかってた部分がありますが、それを差し引いてもかなり訓練内容が厳しかったです。
やはり即応予備自衛官の訓練担当部隊ということもありますし、普通科部隊というのも影響してると思います。
あとは、中隊長がやたら気合入ってたので、予備自衛官訓練への思い入れが強かったのでしょう。
今回の訓練が厳しいと感じたポイントについて解説していきます。
・早飯がない
前回訓練を受けた駐屯地では予備自衛官は早飯がOKでした。
普通は12時からしか食堂を使えませんが、10分前からの早飯が許可されてました。
しかし、今回は早飯NGなので行列に並ぶ必要がありました。
本来はこれが正しい形ですけどね。
・休憩時間が短い
手間ちでベットでまったりする時間もありませんでしたし、休憩時間が短く回数も少なかったです。
昼休憩は1時間ありましたが、次の訓練場所までの移動時間を考慮してくれてないので、休憩時間を使って離れた場所まで移動する必要がありました。
予備自衛官補の時はそれが当たり前でしたが、前回の訓練では休憩が訓練かと勘違いするくらいに休憩が多かったので、違いにびっくりという感じですね。
予備自衛官への期待が大きい
中隊長の思想が色濃く出てる影響かもしれませんが、予備自衛官への期待が大きいように感じました。
基幹隊員の指導にも熱が入っているように感じました。
期待が大きいからか訓練カリキュラムもぎゅうぎゅうに詰め込んでおり、休憩する暇がほとんど有りませんでしたからね。
・より実践的で本格的な訓練内容
駐屯地内の巡回警備訓練や検問要領について、実際に分隊を組んでの模擬訓練やライナープレートの構築など本格的な訓練内容でした。
また、小銃を持って行進するときは本来は担え銃をしますが、実情に合ってないということから銃口下向きの控え銃でした。
いつでも至近距離の射撃の姿勢を取れるようにとの指導でした。
まぁ、冷静に考えたら戦場で担え銃で行進することなんてあり得ませんからね。
同様の理由から射撃の姿勢点検も、銃口正面控え銃をしてから体を45度傾けて伏せ撃ちの姿勢に移行しますが、それも禁止になりました。
銃口と目線を敵方に向けたままにして、右手と肩で銃を支えながら左手で地面に手を着いて伏せ撃ちの姿勢に移行する方法に変更になりました。
従来のルールに縛られがちな自衛隊ですが、時代の変化に柔軟に対応していこうという気迫が感じらましたね。
まとめ:駐屯地によって訓練のキツさが変わってくる
訓練駐屯地によって予備自衛官訓練のキツさが変わってくるということですね。
普通科の部隊や即応予備自衛官の訓練部隊が担当する場合は要注意です。
久々予備自衛官補時代に戻ったような感じがしましたからね。
同じ駐屯地でも指導部隊が変われば、訓練の難易度も変わると思います。
予備自衛官訓練で知り合った人たちとのネットワークを構築して、複数ある訓練駐屯地の事情についての情報共有をしておきましょう。
各都道府県にはそれぞれ3〜4個ほど訓練駐屯地が設定されてるので、自分のニーズに合わせた訓練駐屯地を選べるようにしておきましょう。
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