予備自衛官補教育招集訓練の1段階攻略法について現役予備自衛官が徹底解説

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どうも!!ブログ管理人のfujiです。


予備自衛官補の訓練日数は50日間もありますが、1段階・2段階・3段階と自動車学校のように段階分けがされてます。

A・B・C・Dの合計20日間の訓練が、1段階の訓練になります。


社会人や学生などの一般人が予備自衛官補になり、50日間の訓練を修了して予備自衛官になるのは険しい道のりです。

予備自衛官補から予備自衛官になれるのは約1割程度であると言われてます。

私の体感ですが、予備自衛官補の約半分が1段階でやめていきます。


訓練のキツさや学業や仕事と訓練カリキュラムの調整の難しさなどに耐えきれず、やめていく人が1人でもこの記事で救われればと思います。


ネット等で予備自衛官補訓練の生の情報があまりありませんが、この記事では元一般予備自衛官補であり現役公募予備自衛官の私が徹底的にポイントを解説します。


この記事を読み進めて情報をしっかりと集めて、楽しく快適な予備自衛官補1段階訓練にしていきましょう。



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予備自衛官補 1段階訓練内容


※陸上自衛隊:予備自衛官補の教育訓練より


上記の表にも書いてありますが、1段階の訓練はA、B、C、Dの4つから構成されてます。

訓練内容としては

・A B:基本教練
・C:戦闘訓練、格闘
・D:野外勤務


となってます。


自衛隊での行進や小銃の扱い方、自衛隊での服務や規律などの自衛隊員の基礎を1段階で学びます。


ちなみに予備自衛官補に任官した後の訓練の順番は必ずA課程→B課程となります。

A・B課程の訓練が終了したらその後のC・D課程は順不同になります。


それでは各訓練内容について詳しく解説していきます。



一つ注意点ですが、全国どこの駐屯地でも訓練カリキュラムは同じです。

しかし、駐屯地の規模と在籍予備自衛官補の人数によってカリキュラムが前後していることがあります。

私は1・2段階は中部方面隊、3段階は西部方面隊の駐屯地で訓練を受けました。

しかし、中部方面隊の駐屯地で修了したはずの手榴弾投擲訓練を西部方面隊の駐屯地でも受けました。


駐屯地によって訓練科目の順番が違うこともあるということをご了承ください。

 

予備自衛官補:A課程訓練


A課程の訓練では敬礼や行進、自衛隊でのルールや所作などの基本的なことを学びます。

一番のイベントは、64式小銃の授与式と64式小銃を使った基本動作ですね。


A課程の訓練内容の詳細や攻略法については、別記事で詳しく解説してるので、そちらのほうを参照してみてください。

予備自衛官補:B課程訓練


B課程の訓練ではA課程に引き続き、行進や敬礼等の基本教練がメインになります。

A課程に比べて64式小銃を使った基本動作が若干多めです。

64式小銃の分解結合はB課程から本格的にやります。


小銃に銃剣をつける動作である付け剣や、付け剣の状態から銃剣を鞘に戻す取れ剣なども学びます。


・防護マスク体験


B課程での大きなイベントは防護マスクの装着訓練と効果体験です。

自衛隊では「状況ガス」の号令後に決められた時間内に防護マスクを装着しなければなりません。

秒数は忘れましたが、8秒以内くらいだったと思います。

しかも目を閉じた状態で行います。


予備自衛官補には時間のノルマはないので、肩の力を抜いて確実に行いましょう。


装着の方法を学んだ後に、催涙ガスを充満させた天幕の中に突撃します。

最初は防護マスクをつけてるのでなんともありません。

しかし、班長からの「マスク取れ」の号令があるのでマスクを取ります。


その後は地獄が始まります。

目や鼻から涙や鼻水が止まらなくなりますし、肌がピリピリと痛いです。

髭を剃った後は特に痛いとのことらしいので、日焼け止めを顔に塗っておくことをお勧めします。


特殊武器防護訓練である防護マスク体験は、本来はE課程のカリキュラムのはずです。

しかし、私が所属していた中部方面隊の駐屯地ではB課程で行ってました。

予備自衛官補の人数が一番多い大所帯の方面隊なので色々都合があるのでしょう。


予備自衛官補:C課程訓練


C課程の訓練は一番陸上自衛隊っぽいことをやります。

それは、戦闘訓練と対人格闘です。


2段階F課程・3段階I課程でも戦闘訓練はあります。

まずはC課程訓練で戦闘訓練の基礎について学ぶことになります。


・5種類の匍匐前進



戦闘訓練の基礎教育としてまずは受け身の取り方を学びます。

学生から社会人まで幅広い年齢層がいますので、安全に戦闘訓練を行うためのトレーニングから入ります。


体育館でマットを使って前転や後転、受け身の取り方を学びます。

一通りカラダがほぐれたら、ついに匍匐前進を学びます。



陸上自衛隊の匍匐前進は敵との距離に応じて5段階あります。

敵陣に近づくにつれて第1匍匐〜第5匍匐と移行していきます。





文字では伝わりにくいので、「元自衛隊芸人トッカグン」さんの動画を参考にしてみてください。


動画では身軽な装備でやってますが、実際は銃剣・サスペンダー・弾帯・弾嚢・水筒・防護マスク・鉄帽を装備した状態で行います。


水筒は水を満水で行うのでかなりずっしりと重みが乗りますし、防護マスク入れの紐がカラダの動きを邪魔するので非常にやりづらいです。

満水のチェックは班長たちが抜き打ちでチェックするので、手抜きがバレたら地獄を見ますよ!!

目安としては振って音がしない程度です。



匍匐前進のコツとしては足でしっかりと蹴って進むこと動作を大きくすることです。

速く前に進もうと小刻みに早くカラダを使うと、前に進みませんし、体力も削られてしまいます。

ひとつひとつの動作を大きく確実にしたほうが前に進むし、体力の消耗も抑えられます。


特に第3〜5匍匐前進は足の裏で地面をしっかりと蹴らなければ前に進みません。


・対人格闘


対人格闘では至近距離の敵の制圧方法であったり、64式小銃を使った格闘も行います。

イメージ的には銃剣道に近いようなものです。


しかし使うのは長さ99㎝・重さ4.3kgの64式小銃です。


腕がプルプルになりながらもなんとか堪えた思い出が今でもあります。


厳しい班長に当たらないことを祈るしかないですね。


・戦闘間隊員一般の心得


カラダを動かすだけでなく、精神教育の意味合いも込めて戦闘訓練での座学もあります。

どの課程でも精神教育や座学の時間はある程度設けられてます。

夏場の訓練で一日中屋外とか地獄ですもんね。




陸上自衛隊には戦闘間隊員一般の心得というものがあります。

11個の項目から構成されており、陸上自衛隊員全員の行動目標のような感じですね。


戦闘間隊員一般の心得

  • 使命感に徹し、あくまで任務を遂行せよ。
  • 常に厳正な規律を維持せよ。
  • 常に士気旺盛にして、強靭不屈かつ勇猛果敢に行動せよ。
  • 自ら進んで指揮官の掌握下に入れ。
  • 相互に協同連携して戦闘せよ。
  • 旺盛な企図心をもって絶えず創意工夫せよ。
  • 常に情報資料を収集し、速やかに報告せよ。
  • 常に警戒を怠るな。
  • 戦闘間負傷しても、自ら手段を尽くして戦闘を継続せよ。
  • 敵の宣伝に乗ぜられるな。
  • 武器、弾薬等を愛護節用せよ。

予備自衛官補:D課程訓練


D課程訓練では野外勤務がカリキュラムのメインになります。

常に自衛隊では野外活動ですけどね笑


野外勤務の大きなイベントとしては、歩哨訓練10Km行進ですね。

1段階の訓練としては一番ボリュームがあり、個人的には1段階の中では一番キツかったですね。

まぁ2段階の訓練に比べればカワイイものですけどね。


・歩哨訓練


歩哨とはざっくり説明すると見張りです。


歩哨以外にも外哨や前哨や複哨などがありますが、見張りをする場所や人数によって呼び名が変わります。

しかし、どれもやることは同じ見張りです。


予備自衛官補の歩哨訓練では、2人1組のペアになって四方及び上空の警戒任務を行います。

2人が同じ方向を監視しないように、偏りのない警戒をする必要があります。


警戒の仕方だけでなく、後方の交代要員との交代要領や無線機を使った報告要領も学びます。


歩哨中の報告では無線を使って外哨長に「見たまま聞いたまま」の報告を行います。

個人の見解や憶測は一切なしです。

各歩哨からの報告を客観的に判断して、戦況と次の一手を判断するためです。



歩哨と外哨長とのやり取りの一例を下記に示します。

外哨長、こちら第一歩哨

送れ

川沿いの道、迷彩服の男性1、東から西に移動中、なお小銃を携行している模様、報告終わり

了解。引き続き警戒せよ

了解。引き続き警戒する。



みたいな感じですね。

端的に『何が・どこで・何をしてるの・細部について』を抑えればOKです。

状況によっては双眼鏡を使って細部報告もします。


歩哨などの警戒任務は、後方支援がメインとなる予備自衛官の大切な任務です。

実際に予備自衛官の5日間訓練では、駐屯地の正門の警戒警備を想定した訓練も実施されてます。


また、二段階のG課程では歩哨訓練の練度判定もありますので、気合い入れて学んでください。


・10Km行進


地獄の10キロ行進です。

夏場にこの訓練を入れるのはオススメしないです。

てゆうか自衛隊の訓練は夏に行くものじゃありません。

日程に余裕があるなら秋に行くことをオススメします。



10キロ行進のコースは駐屯地内で4〜5周程度といったとこですかね。

そしてフル装備で行進します。

背嚢という大きなリュックサックの重さは、エンピや満水の水筒、1日分の戦闘服や衣類にタオル、自分用の水分などの荷物が入るので、大体7〜8キロくらいです。

それ以外にも64式小銃や銃剣、サスペンダー、防護マスク、弾倉等があるのでそれらを含めると15キロくらいの装備を背負うことになります。


地獄ですが、G課程では25Kmですからね。

慣れるしかありません。


コツとしては、一定のペースで歩き続けることです。

前が早くなって少し開けられても、急いで追いつく必要はありません。

歩くスピードを上げたり下げたりするのが地味に体力を奪います。

少し開けられてもそのうち前のペースが遅くなったりして追いつきますからね。



それなりにキツい10キロ行進ですが、3〜4時間も歩けばゴールなので少しの辛抱です。

頭の中で昼の食堂のメニューでも考えながら耐え抜きましょう。

自衛隊の食堂のご飯は美味しいですからね!!


1段階見極め試験


予備自衛官補のA〜Dまでを修了すると、見極め試験を受けることができます。


行うタイミングは1段階最後の訓練課程の4日目くらいですかね。

D課程が1段階最後の課程ならばD課程の4日目、C課程が1段階最後の課程ならばC課程の4日目といった具合です。

見極め試験の科目としては、基本教練ペーパーテストです。


・基本教練練度判定

基本教練の練度判定は、3〜5人程度の班単位で行います。

班長の号令にしたがって行動するだけの簡単な作業です。


内容としては、64式小銃を持ってない時の敬礼や回れ右、執銃時の敬礼や捧げ銃などの停止間の基本動作です。

それが終わったら、担え銃の状態での班の行進です。

縦隊右へ進め、右向け前へ進め、足を変えなどですね。


基本教練の良い参考動画がありましたので、下記を参照してイメージアップしましょう。


トッカグンさん 執銃時の基本動作




えびの駐屯地 自衛官候補生 行進・停止間の基本動作




・ペーパーテスト


ペーパーテストは、訓練の初日くらいに用紙が渡されます。

その用紙の穴あき状態になったのがペーパーテストの問題になります。

よってどこの単語や内容が穴あきにされるか分からないので、重要そうな単語は全て覚えましょう。


8割正答で合格だったと思いますので、しっかりと勉強しないと再試験を食らうことになりますよ。


また、訓練の合間を縫っての勉強なので、厳しい・忙しい駐屯地に当たったら勉強する暇がほとんどありません。

課業後の行動を迅速に終わらせて、勉強時間を作る努力をしましょう。



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予備自衛官補 1段階訓練 ワンポイントアドバイス





1段階での訓練について注意すべきポイントがあるので、それについて解説します。


前泊出頭が必須


A課程訓練でもそうですが、他の課程でも前泊出頭をすることを強くオススメします。

当日出頭だと何かとバタバタしたり、装具の準備が間に合わなかったりします。


特にD課程訓練では背嚢にエンピや水筒や飯ごうを取り付けたり、紐の長さ調整や脱落防止処置などの準備がとても大変です。

前泊出頭の大切さについても記事を書いてるので参照して見てください。

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役職を経験しよう


1段階では多少のミスや忘れは許されることがあります。

特にA・B課程では間違って当たり前ですからね。


そのタイミングで役職を経験することをオススメします。

取締やチームリーダーを経験しておけば、班の統制要領や号令の掛け方等早く覚えることができます。


武器係や内務も号令の掛け方等を学ぶことができます。


失敗して許される時期に多くのことを経験したほうが、後々の訓練が楽になりますよ。

2段階の後半で号令の掛け方や班の統制要領がわかりません、なんて笑い話にもなりませんからね。


予備自衛官補の役職についての記事も書いてますので、参考にして見てください。

 

覚えるのが大変!!予備自衛官補訓練での4つの役職や号令について解説します!
訓練や生活の規律が厳しい予備自衛官補ですが、覚えることの多さも頭を悩ませる要因です。特に4つの役職や号令要領が難所になります。

朝の時間を有効活用しよう



訓練がキツい・カリキュラムが忙しい駐屯地でも、朝は比較的時間があります。

6時の点呼が終わってご飯を食堂で食べて隊舎に帰ってきてから、次の行動まで40分くらいは時間があります。

その時間で戦闘服のアイロンを仕上げてしまいましょう。


課業後はアイロンの争奪戦で使えないこともありますが、朝は比較的空いてます。

競合が少ない時間帯で自分のペースで作業をするのもひとつの手段だと思います。


予備自補ネットワークを構築しよう


自分一人の力では不可能でも、協力すれば可能に変えることもできます。

コミュニケーションを積極的に取ってネットワークを構築しましょう。

些細な人のつながりが後々効果を発揮します。


例えば忘れ物をした際にブラックテープやジップロックなどの必要な道具を恵んでもらえたり、課程が先に進んでる人にテストの内容をこっそり教えて貰ったりです。


テストの用紙は名前を書いて班長に返さなければなりませんが、その時に得た情報の処遇については指示されてません。


情報は戦局を大きく左右する、時には命よりも重い存在ですからね。


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まとめ:情報を駆使して快適な予備自衛官補訓練にしよう




情報戦こそが現代の戦争の形態であると言えます。

予備自衛官補訓練も同じです。

仲間とのネットワークを早期に構築して情報の共有ができれば、楽な訓練になります。

また、このブログの予備自衛官補関係の記事で情報を収集するのも情報戦の戦い方ですよね?


歴史上の出来事などで成功者には色々なパターンがあります。

しかし、敗北や失敗した偉人たちには「情報不足」「準備不足」「侮り」というこれら3つの共通点があります。

と、東進ハイスクールのカリスマ予備講師の林先生がおっしゃってました。


予備自衛官補訓練を快適なものにするための行動はいつやるの??

今でしょ!!!

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