はじめまして!ブログ管理人のfujiです。
私は50日間の予備自衛官補訓練を修了して予備自衛官に任官しました。
俗にいう「一般公募予備自衛官」ということですね。
一般人でありながら自衛隊の駐屯地にて、現役自衛官と同じように自衛隊での常識を教えられます。
そこで今回は私が予備自衛官補訓練期間中に学んだ陸上自衛隊あるあるについて解説します。
外の世界とは全く違ったディープな世界を堪能してください。
今回は「あるあるパート2」になりますので、パート1をまだ見てない方は下記記事を覗いてみましょう。
陸上自衛隊あるある前半戦
前半戦は陸上自衛隊での言葉の言い回しや専門用語について解説します。
現職自衛官の方は予備自補の訓練中に専門用語を平気で使ってきます。
そのくらいも知らないの??と言わんばかりに使ってきます。
予備自補や自衛官志望の方はこの記事で予習しておくのもアリですね!!
1.掌握
駐屯地内で生活してたら1日1回以上はこの単語を聞きますし、自分でも口にします。
掌握(しょうあく)
シャバの世界ではあまり使わないですよね??
自衛隊では「持つ・管理する」というニュアンスで使われます。
使用例としては
・雑嚢を掌握して班ごとに集積せよ
・人員を掌握して取締に報告せよ
とかですかね。
2. 着眼
訓練中は特にこの単語が飛び交います。
着眼(ちゃくがん)
自衛隊では「コツ」や「ポイント」なんてことは言いません。
・不動の姿勢の着眼としては〜
・伏せ撃ちの姿勢の着眼としては〜
なんていう感じで使います。
また、着眼と合わせ技で「展示」という単語も出てきます。
基本教練の着眼を説明する際に、班長自らが動作の見本を見せる際に使います。
「説明した着眼について展示する。見える位置に集まれ」
なんて使い方もします。
3. 事後の行動
訓練科目の合間によく出てきます。
事後の行動(じごのこうどう)
次の集合時間や場所についての説明の時に使います。
・事後の行動を示す。武器庫より64式小銃搬出後、0815の国旗掲揚までに区隊ごと整列するが如く行動せよ!
・別れて事後の行動。別れ!
みたいな感じですね。
「この後の流れについて」とかは使いません。「事後の行動」一択です。
上記の例文で出てきた「示す」や「〜するが如く」も自衛隊は大好きです。
・〜するが如く…〜できるように、間に合うように
上記のニュアンスで使われます。
4. 概ね
「だいたい」とか「約」なんてぼんやりした単語は自衛隊は大っ嫌いです。
概ね(おおむね)
距離であったり場所について示す時に使います。
・隊舎の玄関に正対して、概ね右に3歩を列の基準とせよ
みたいな感じですね。
ちなみに自衛隊では1歩の歩幅は男性75㎝・女性70㎝と決められてます。
よってどこの駐屯地でも地面に目安となる白線がいたるところに引かれてます。
新隊員はこの白線上で課業後歩幅の練習するのです。
自分の身体を測定器具として利用する自衛隊は、まさに全身精密武器ということですね。
5. 煙缶
野外の演習で大活躍するものです。
煙缶(えんかん)
灰皿のことですね。
駐屯地内には喫煙スペースが決められており、そこには取手のついた赤色や銀色の缶が設置されてます。
閉鎖空間でキツい訓練をする影響なのか、自衛隊は喫煙者がとても多いです。
しかし時代の流れなのか喫煙スペースが離れた場所に移動したり課業中の喫煙禁止など、自衛隊でも分煙・禁煙の取り組みが実施されてます。
自衛隊でもこの流れなのだから、私の会社でも喫煙完全禁止にしてほしいところです。
6. 状況開始
自衛隊や戦争モノの映画やアニメを見たことある人なら、聞いたことがある言葉だと思います。
状況開始(じょうきょうかいし)
正式には「訓練状況開始」です。
想定したシュミレーションで訓練を開始する際に使う言葉です。
「よーい、スタート」なんてダサい言葉は自衛隊では使いません。
ちなみに、実際の戦闘中に行動を開始する時は「作戦開始」と言います。
なので巷の映画等の「状況開始」は使い方としては間違いです。
まぁ「状況開始」の方がカッコイイですけどね。
7. 時間・数字の数え方が独特
自衛隊では午前7時55分なんて言い方や表記の仕方はしません。
自衛隊流に直すと24時間表示で「0755(マルナナゴーゴー)」です。
時刻の伝え間違いは作戦遂行に致命的な打撃ですからね。
また、数字の数え方も独特です
0〜9は以下のように発音します。
「マル、ヒト、フタ、サン、ヨン、ゴー、ロク、ナナ、ハチ、キュウ」
この数字の数え方は自衛隊だけでなく鉄道等の交通インフラ企業で採用されてるところもあるようです。
まぁ鉄道では「10(ヒトマル)」ではなく「10(トォ)」と若干の違いはあります。
8. おりしけ
「折り敷く」という単語の命令形です。
折り敷くという単語自体身近ではありませんが…
おりしけ
お尻をついて座れという意味です。
半長靴というブーツを自衛隊では履くので、ぶっちゃけ座るより立ってる方が楽です。
足がめちゃくちゃ痺れますもんね。
また、膝をついて屈むことを「片膝付け」と言います。
一番地獄な姿勢です。足が死にます。
陸上自衛隊あるある後半戦
後半戦は陸上自衛隊での動作や所作について解説します。
9. 腕時計の文字盤は内側
自衛隊では腕時計の文字盤を手首側に向けるようにします。
平時では特に決まりはありませんが、特定の条件下の時にこのようにします。
それは、歩哨や外哨の任についてる時です。
簡単にいうと見張りです。
夜間の歩哨中は腕時計の文字盤のカバーで光が反射します。
それにより敵に暴露する可能性があります。
それを防ぐために文字盤を手首側につけるのです。
意識の高いしっかりした自衛官ならば、黒や迷彩柄の腕時計や反射しない素材の眼鏡フレームを使ってる人もいます。
日本の自衛隊は専守防衛の観点から、敵に見つかることなく見つけることに注力してます。
有事の際は反射防止もそうですが、防音対策もしっかりするそうです。
まさに忍者ですね。
10. 官品は大切にする
官品とは、自衛隊で支給される物品のことです。
自衛隊の収入源は国民の税金です。
国民の大切な税金で購入した官品は大切に取り扱います。
課業中に官品を雑に扱うようなら、班長からの厳しい指導が待ってます。
小銃を分解・結合する時に敷く毛布に銘板がついてますが、1955年製造の毛布があって物品愛護の精神がにじみ出てました。
自衛隊発足が1954年ですからね。
ちなみに自衛隊の維持費は国民一人あたりになおすと、1年間で4万円ほどだそうです。
月々3300円ほどで外国の脅威から国民・領土・主権を守ってくれてます。
想像以上に安いですよね。
余談ですが両親が自衛官の娘さんを嫁として貰うことを「官品を貰う」と比喩するようです。
お義父さんが自衛官は大変そうですね。
緊張で冷や汗やばみですね。
11. 挙手はグー
質問があったり意見を進言する時に、手をあげる際はパーではありません。
手は必ずグーです。
気をつけも手はグーです。
俗に「不動の姿勢」と呼ばれるやつですね。
全ての号令に対してすぐさま対応するための基本姿勢です。
12. ジャー戦が課業後の服装
課業中は上下戦闘服に半長靴、布帽が基本になります。
そして課業後は運動シューズに下はジャージ、上は戦闘服と布帽が基本になります。
駐屯地内での私服ですね。
ジャージと戦闘服を略してジャー戦ということです。
シャバの世界から眺めると異様な光景ですよね。
ファッションセンスゼロですもんね。
13. 自衛隊グッズを揃えまくる
特に予備自衛官補あるあるですが、自衛隊のグッズを無駄に揃え出します。
見栄え重視で布帽の中に入れるピアノ線や使用頻度の少ない迷彩ドーランなど、買う必要ないのに買っちゃいますね。
予備自衛官補には比較的ガンオタやミリオタ、サバゲーマーが多いので彼らが駐屯地のコンビニでお金を落としてくれます。
迷彩ドーランは班長が貸してくれるので購入する必要はありません。
しかしこれから、予備自衛官補や自衛官を目指すなら買って損はない商品があります。
・お風呂セット入れ
現職自衛官の99%はこれを持ってます。
お風呂セット一式をこれで持ち運びできます。
桶としても使えるし、水切りも入ってるので便利すぎですね。
ロックケースとセットで迷彩柄の専用トートバックを揃えてる人もいます。
時間に余裕の無い駐屯地内生活では、この2つが揃えば絶大な効果を発揮します。
下記記事では予備自衛官補向けに揃えておくべきオススメグッズを紹介してるので、参考にしてみてください。
快適な駐屯地生活を送るには先行投資が重要になります。
まとめ:自衛隊あるあるは一般人からしたら意味不明
シャバの生活では想像できないようなあるあるが溢れてる、不思議な世界が柵の向こうの自衛隊駐屯地には広がってます。
一般人でも予備自衛官補として駐屯地に入ることもできますし、駐屯地では頻繁にお祭りや一般公開も行ってます。
あなたの知らない世界を、自分の目や足で堪能してみてはいかがでしょうか??
新たな知識や見聞は、あなたの人生を変えるきっかけになるかもしれませんね。
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